ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
第38話 閉じ込められた最初の世代はその数を減らしていく。そんな中、彼らは自分達の子孫に、その夢を託した。
第38話 閉じ込められた最初の世代はその数を減らしていく。そんな中、彼らは自分達の子孫に、その夢を託した。
レゴラスが寝ると言うので、今日の面談はお開きとなった。
◇
ガイアの部屋に戻った。
「その座り方、足が疲れないか?」
「正座が?」
正座という座り方らしい。
私は胡坐をかいている。
そういえばレゴラスも正座だった。
「この方が落ち着くのです。あなたもやれば、心地よさが分かります」
「ふぅん」
やらないけど。
ガイアが急須というもので、湯呑という入れ物に温かいお茶を淹れてくれた。
「リンネ」
「何だ?」
「疑問に答えましょう」
訊きたい事は山ほどあった。
そもそもゲームとは一体何なんだ?
何故、レゴラス達はゲームに閉じ込められたのか?
ゲームの中で生まれた私は一体何者なのか?
そして、一番気になるのは、ゲームクリア後、ゲームの中で生まれた私はどうなるのか?
「まず、ゲームとは……」
なるほど。
ガイアの説明でゲームをしたことが無い私も、そういうものかと理解出来た。
「大祖先様達がゲームに閉じ込められた理由は分かりません」
ガイアは一口茶を飲んだ。
私も茶を飲み、問い掛ける。
「魔界プロジェクトはフリーゲームだったんだろ? フリーにした理由は、それを
私は自分の考えを整理しながら、独り言の様にガイアに語った。
「何故、そんなことをする必要があるのか? 何かの陰謀か? ゲームを作った者か、それを裏で操る者が黒幕なのか? 魔王を倒す以前にそれを知りたい」
その頃の
「さすが、暗殺者。探ることについては鋭いですね」
私はガイアに褒めてもらって、少し照れた。
「さて、私達について、ですね」
私は小さく首肯した。
「私は大祖先様の子供、つまり母上から生まれました」
この世界、否、もうゲームと呼ぶべきなのか?
この世界で生まれた私は、この世界をゲームと呼ぶ気にはなれない。
だから、この世界と呼ぶ。
この世界において、皆、寿命が来れば死ぬ。
だから、子孫を残すという選択肢がある。
ゲーム内で人間同士がお互いの合意のもと、『結婚』という契りを交わせば子孫が作れるようになる。
脳内でメニューからそれを選べば、10か月後に子孫が誕生する。
ただ、それだと淡泊過ぎる。
なので、愛し合う恋人同士なら(政略結婚でもない限り)戯れることで作ることもある。
「大祖先様達は自分達の世代だけで、魔王を倒すことは無理だと判断しました。自分達の子供世代に託したのです。
確かにそうだろう。
親は魔王を倒して
だが、この世界で生まれた子供達は、
戻る肉体が無いのだから。
ゲームがガイアの説明の通りなら、私はただ浮遊する電子データでしかない。
だから、
ゲームがクリアされれば、私もガイアも、この世界で生まれた者全て、この世界もろとも消えるだろう。
5大ギルドマスターは(ガイアは除く)、この事実を知っているのだろうか?
魔王を倒すこと。
それは、姫から、富と栄誉を送られること。
皆、そう思っている。
ガイアの話を聴くと、それが勘違いか、嘘の情報に踊らされているか、そのどちらかだと分かる。
「ガイア」
「何でしょう?」
「お前は自分が消えると分かっていて、それでも魔王を倒すという理由は何だ?」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます