ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
第29話 挑発したら乗って来た。どちらかが全滅するまでのバトルロイヤル・デスマッチ!
第29話 挑発したら乗って来た。どちらかが全滅するまでのバトルロイヤル・デスマッチ!
闘技場はすり鉢状になっている。
斜めになってるところが客席。
中央の広場が戦う舞台だ。
「絶対成敗が俺達を何で消す必要がある?」
タイチが困惑している。
「リサを殺したのがお前達だと絶対成敗に報告したら、こう言われた」
デクが内ポケットから、小型の『
指で一撫ですると、モモの声が響いた。
絶対成敗のギルドマスター モモの発言
<まぁ! 何てことを! あんな奴ら消して下さって結構ですわっ!>
モモが声を荒げツインテールを振り乱しているのが目に浮かぶ。
本当の事情を知らない彼女は、私達がただ単に暴走しただけだと勘違いしているのだろう。
「ポンの商売を失った絶対成敗に力なんて無い」
デクが
今回のことで、絶対成敗は5大ギルド内での序列が、最底辺になった。
モモが私達の首を差し出し、他のギルドにご機嫌を取るのは当然かもしれない。
「……という訳だ。お前ら、死んでもらう」
武闘家デクが手の甲に鉄の爪を装着する。
ギルドメンバー同士での殺人が禁じられている様に、親ギルドが子ギルドを潰すことは、この世界において禁じられている。
禁忌を犯した者は、神によってこの世界から消される。
それがこの世界の摂理だった。
だから、わずらわしいギルドメンバーを殺したいとき、この様に代行を立てるのが普通だ。
「俺達、全てを敵に回しちまったみてぇだな」
言葉とは裏腹に、タイチの目は光っていた。
小刻みに震えている。
流石、戦士職。
これからずっと続くであろう戦いの日々--
それを期待しているのだろうか。
「兄者、ユウタは来ないぞ」
「いらねぇよ」
死と隣り合わせの方が、燃える、とでも言いたげだ。
◇
ギルド同士の決着のつけ方には4種類ある。
・不意討ち
(傍目から見て最も汚いやり方。立場的に弱いギルドが、ペナルティ覚悟で一発逆転のために行う。)
・デュエル
(最も損害が少なく傍目から見て勇敢。ギルドから代表者を出しての一騎打ち。)
・XX人マッチ
(デュエルからの派生。XXは人数。ギルドから複数の代表者を出して戦う。)
・デスマッチ
(最も損害が大きく傍目から見て派手。ギルドメンバー総出でどちらかが全滅するまで。)
何処から聞きつけたのか、いつの間にか客席に人が座っている。
まばらだが、少しずつ増えて来ている。
戦いは良い見世物だ。
他人の戦い方を見て学ぶ者もいれば、ただ単に残酷なショーが見たいだけの者もいる。
一番多いのは、金を賭けている者だ。
どちらが勝つか。
早速、どこかの商人が賭場でも開いているのだろう。
「俺とお前のデュエルで行くか? お前らの方が人数も少ない様だし。それに、お前以外、皆、雑魚っぽいもんな」
デクが余裕ぶってタイチに提案する。
確かに。
ペガサス旅団は30人はいる。
対して鉄騎同盟は6人しかいない。
物量では圧倒的に不利だ。
それにしても、私まで雑魚扱いとは……
タイチが吐き捨てる様に言う。
「生ぬるいこと言ってんじゃねぇよ。どっちかが全員死ぬまでのデスマッチだ」
客席から歓声が上がった。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます