第11話
俺は今ダンジョンにいる。
俺が覚醒した場所、「三日月ダンジョン」にだ。
あの時は罠にハマって無理だったが、今回はダンジョンを攻略しようと思う。
「ダンジョンを攻略」とは、一般的に最下層のボスを倒し、最後の報酬の宝箱を開けて外に出たところまでが攻略したと言われる。
三日月ダンジョンは本来、Aランクの人なら1人で攻略できるぐらいの難易度だ。
ちなみに俺の元パーティ、「黒曜の剣」は、Bランクパーティだったが、個人のランクはBランクのキル以外はCランクだった。
あのパーティではむりだったが、俺はBランクでもヒュプノスがあれば余裕でクリアできるだろう。
でも厄介なのが、スピードの早い魔物だ。
ヒュプノスは手をかざして発動するものなので、狙いが定めにくい相手は苦手なのだ。
だが、このダンジョンには今の俺よりパワー強いが、スピードが速い魔物はいないので、攻略できると考えた。
ケルベロスが出てくる。
ヒュプノス。
スキル強奪。
仕留める。
この繰り返しで俺はどんどんダンジョンの攻略を進めていった。
今俺は29階層にいる。
このダンジョンは30階層がボス部屋なので、この層を終えたらボスだ。
ちなみに俺はLv38だ。
ケルベロスは格上なので、すぐにLvが上がっていったのだ。
今回倒したケルベロスの中には特殊個体はいなかった。
そしてついにボス部屋へとたどり着く。
自分が思っていたよりあっさりついたと思っている。
まぁこれも全てヒュプノスのおかげだが。
ここのボスは「ウルフキング」と呼ばれる狼の魔物だ。
扉を開けるとそこには寝ているウルフキングがいる。
俺に気づいたウルフキングは雄叫びをあげる。
「ガァルルルルル!!!」
俺は全く動じずヒュプノスを発動する。
すると、先程までの威嚇が嘘のように眠り始めた。
ボスにも効くか心配だったが、大丈夫だったようだ。
スキル強奪を発動する。
【眷属化】を取得した。
詳細を見てみる。
【眷属化】
これは相手の同意があった場合、相手が戦闘不能や、行動不能状態であった場合に相手を眷属にすることが出来る。
主には、眷属の能力が上乗せされる。
および、眷属化した者との意思疎通が可能。
俺にピッタリのスキルじゃないか。
ウルフキングに目を向ける。
じゃあこいつは眷属化できるのか。
手をかざす、【眷属化】。
「ウルフキングを、眷属にしました。能力値が上乗せされます。」
その声を聞いた瞬間体が前の2、3倍ぐらい軽くなった気がした。
そしてウルフキングの眠りをとく。
するとウルフキングは俺の前に座った。
忠誠の証なのだろうか。
俺は恐る恐るウルフキングを撫でる。
気持ちが良さそうだ。
あと先程のスキル詳細に意思疎通ができると書いてあったが、本当だろうか。
「ウルフキング、俺の喋ってるのがわかるか?」
と声をかけてみる。
するとウルフキングは理解しているようで、頷いた。
「そうか、わかった。じゃあお前はこれからクロだ。いいか?」
ウルフキングは頷く。
何故か少し不服そうだが、まぁいいだろう。
そして俺はボス部屋の宝箱に目を向ける。
これはランダムでアイテムが得られるものだ。
開けてみると、その中には眼鏡が入っていた。
鑑定をしてみる。
「ゾーンレンズ」と言う手袋らしい。
これは、視認出来る範囲のものに、スキルを発動できるというものだ。
これはありがたい収穫だ。
これで、手をかざさなくても敵を眠らせれるのか。
まさにチートだな。
まぁこれはありがたく使わせて頂こう。
クロに関しては【テイム】というスキルがあるのでそれで仲間にした魔物だとでも言っておこう。
俺はゾーンレンズをかけた後、転送魔法陣で外へ出た。
これにて「三日月ダンジョン」クリアだ!
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