第8話

鍛冶屋を出た俺は今の所持金を確認する。

このネックレスと装備代を引いて、あと2300万リルだ。


次はもう一度冒険者ギルドに戻る。

今の俺はまだランクが下から2番目のEランクなのでスライムと討伐ぐらいしか受けられないが、今はそれで功績を稼ごう。


ギルドに入ると、カウンターの横に「クエスト板」と呼ばれる依頼内容が貼ってあるものがある。

そこのEランクの欄のスライム討伐(無制限)と書かれた貼り紙をとる。

何故無制限かと言うと、数が多いし、魔石もあまり高価なものでは無いのでいくら倒しても問題ないのだ。

これをカウンターの受付の人に渡す。

「これお願いします」


「おお!カルムさんじゃないですか!お久しぶりですね、聞きましたよ、ダンジョンで見捨てられたらしいじゃないですか、酷いですよね。今日からは心機一転!1人で冒険者ですか」


この人はこんな俺にも気軽に接してくれる優しい受付のリリーさんだ。

「はい。やっとあと【睡眠不足】から解放されて俺は冒険者を1人でもやって行けるようになったのでこれからはバンバン仕事していきたいと思います!」


「そうなんですか!あのスキルから…それは良かった!じゃあこれからはカルムさんのために私も頑張りますね!期待してますよ!はい、受注完了です。」


そう言われ、ギルドの印鑑をおされた貼り紙を返される。

依頼後、この貼り紙と一緒に出せば普通に売るよりは高く買い取ってくれるのだ。


そして俺はギルドを出たあと、門から森に出かけた。

この森は初心者の冒険者がよく来るスライムやウルフなどの弱いものしか出ない。


そうして歩いていると、早速スライムを見つけた。

すぐにヒュプノスで片付けるだが、まだ眠っているので、スキル強奪を発動してから、核を壊す。

何故スキル強奪を発動するかは、たまに個体によって特殊なスキルを持っているものがいるらしいからだ。スライムは核を壊すと塵になりその中から魔石が現れる。

スライムは透明で、その中に魔石らしきものは入っていないのに核を壊すとでてくる、この原理はまだ解明されていない。


このように森の中を夢中でスライムを倒しまくること8時間、あたりはもう夕方になっていた。

久しぶりの一人での依頼だったので夢中になって狩っていた。

持ってきた大きめの袋はもうパンパンだ、さすがヒュプノスと言えるだろう。

この狩りの途中でひとつだけ新しいスキルを得た、【酸弾】だ。

これは名前の通り、酸を飛ばすものだ。

だが、スライムには酸は効かないので今はあまり必要ないだろう。


森を出た俺はギルドに向かう。

カウンターに行き、今日の収穫を台の上に出す。

「カ、カルムさんどうしたんですかこの量!」

「あ、ああ少し夢中になり過ぎた」


リリーさんは驚いた様子だったが、さすがだ。すぐに集計を始めた。

集計が終わったみたいだ。

「今回のスライムの魔石の数は、2582個です。カルムさん、どうやったらこんな大量に魔石を集めてこれるんですか、期待してるとは言いましたけど、こんなに早く成果が出るとは思いませんでしたよ。えっと、今回の代金は15000リルです。」


「スライムってそんなに稼げるのか…」

価格を聞いた俺は苦笑いをしながら言う。


「スライムをこんなに大量にかれるんですからもう、Dランクにしときますね。Cランクからは功績と試験があるので確認してくださいね。」


「ありがとう。また明日来るよ。」

そう言った俺はギルドを出る。今日はどこで寝ようか迷っているが、少しだけ良い宿屋に泊まろう。

俺はパーティ時代にこの街の宿屋などをいっぱい調べたのである程度のところは知っている。

そして俺は目当ての宿屋に向かった。


10分くらい歩いて、宿屋についた。

ここの名前は「治湯亭」だ

ここはギルドから少し離れているが、ご飯もでるし、何より、お風呂があるのだ。ここは1日約7000リルなので、他のところよりは少し高めだが、割にあっている。

これからはここを拠点にして、冒険者の活動をしていこうと思う。


カウンターで予約を済ませた俺は部屋に向かう。

部屋の中は至ってシンプルだが、ベットが、フカフカで気持ちよかった。

【睡眠不足】のせいで睡眠には少しこだわるようになっていたので、ベッドが良いのは凄く嬉しい。


荷物を置いた俺は風呂に向かった。ここは男女別の共有の風呂になっている。

体を洗った俺は湯に浸かる。

暖かいお湯で、筋肉の緊張がほぐれていくようで、凄く気持ちが良かった。

30分くらいお風呂に入った俺は部屋に戻る。


そして俺はあることをした。

それは今日あったことを日記に書くということだ。

これからは毎日、日記を書くことをしようと思う。


今日のことを書き終えたおれはフカフカのベッドで眠りについた。

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