第5話


街についた俺が行く場所は……そう、冒険者ギルドだ

そこでキルたちはダンジョンでのことを話していると思う。


……そのほとんどを嘘で固めて…


街についた俺は、なんの迷いもなく毎日のように通った冒険者ギルドへの道を歩く。

ちなみに俺が寝ていたのは数時間程度で、目覚めた場所は街に近かったこともあり、多分キル達はまだギルドにいるだろう。

そして冒険者ギルドについた俺はギルドの扉を開ける。


「ギギギギ…」


古びた扉を開ける音がし、、中の人が俺を注目する。


「え?おまっ、大丈夫なのか?」


扉の一番近くの席に座っていたやつにそう言われる。俺はそれに対して何も言わずに一言。


「キルはどこだ」


そんな俺の怒りの形相に、驚きつつ男はこう言った。


「今3番の個室で話してると思う…アイツギルドに来た時、お前は死んだって…」


それを聞いて俺は驚きもしない、そんなことは分かりきっていた。

そして3番の個室まで歩き出す。

個室はカウンターをこえた先にあるのでカウンターを通るが、受付の人は全てを悟ったかのように何もせずに通らせてくれた。やっぱり受付に立つ人は優秀ようだ。


3番の個室の前に着いた俺はノックなどせず、そのまま扉を開ける。

扉を開けると、そこにはキル、ミル、シルの3人と、ギルド長のサルムと秘書のサシャの5人が話していて、突然入ってきた俺に驚いた様子の5人。

それを見たギルド長は言う


「キル、これはどういうことだ、何故お前がさっきの話していた、〈死んだ〉カルムがここにいるんだ?」


「ちっ、違う!俺は嘘なんかついてない!だよな?ミル、シル?」


ギルド長に問い詰められたキルは必死にそう訴える

それを聞いたミル達二人は、無言で俯いたままだ。


「キル、これはしっかりと話を聞かないと行けないかもな?カルム、俺の横に座れ、全員で話をしよう。」


俺は頷きギルド長の横に座る

今の席はギルド長と俺たちの三人とキル達の対面式になっている。


そしてギルド長から俺が来る前にキルが話していたことを聞いた。


ダンジョンで宝箱を見つけた俺たち四人は最初にミルがサーチをしようとしたところ、宝箱に興奮した俺が先に宝箱を開けてしまい、結果それは罠で、大量の魔物が引き寄せられ、その魔物達は宝箱を開けた俺だけを狙ってそれをキル達は助けられなかったと泣いていたそうだ。


それを聞いた俺はギルド長に本当のことを話していく、ミルのサーチが罠に効かなかったこと、俺がキル達に捨てられたことを…

それを聞いたキルは


「そ、そんなの嘘だ!そんな確証はない!」


あろうことか俺の話を嘘だと言い始めた


「いや、あるよキル。」


「え?じゃあその証拠を見せてみろよ!ほらっ、ほらっ!」


そう言われおらはギルド長にズボンの焦げあとを見せる大きな丸い穴が焦げたように空いていた。


「そ、それはダンジョンでカルムがやられたあとだ!俺たちじゃない!」


それを聞いたギルド長は言う、


「おいもうやめろキル、惨めだ。無理なんだよ、あのダンジョンでは火魔法を使うどころか魔法を使う魔物がいないんだよ」


ギルド長が俯きながら悔しそうに言う

ギルド長はキルを自分の子供のようにしてきた人だった、体はでかいが、暖かく、すごく優しい人だ。

だからこそ、これは責任をもって、話したいのだろう…


「は、はぁ、うそだ、全部嘘だ!カルムの嘘だ!」


顔を真っ青にしてそう必死に叫ぶキル

もう誰もキルの言葉を信じはしないだろう。

そしてギルド長はキルに言い果たす、


「お前は冒険者失格だ、そしてお前、いやミル、シム、お前らもだ。傭兵に預ける。」


三人とも顔を真っ青にしている

それを見た俺はほんの少しだけ、気持ちが晴れた気がした。


その後、キル達はこの街の傭兵に預けられ、俺にはキル達の装備のいるものはそのまま貰い、要らないもの売って現金で貰えるという話になった。

それを貰うのは明日になるそうだから、俺は宿屋に戻って帰ることにしよう。


ギルドを出た俺は昔からよく使っていた宿「羽鳥亭」についた。

元々俺は床で寝ていたが、今日からキルたちがいないので、俺は1人でベットを使って寝ることができた。

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