第3話

〈固有スキル 【睡眠不足】が永遠の睡眠についたことにより解除され、【ヒュプノス】に覚醒しました〉



「あ、、あぅ…」


ゆっくりと目を開ける…

そこはくらいダンジョンのようだ


「え、俺は魔物に食われたはずじゃ…」


周りを見渡す…

俺の服はぼぼ無くなっているような状態だ

元々の鉄の装備は砕けてなくなっており

服は所々に大きな穴があいている


周りに魔物は居ないしダンジョンの松明らしきものはないが構造自体はダンジョンだと思う

なぜ俺が自分の姿が見えているのかは自分にも分からない

光源がないのに何故か明るいのだ


すごく頭が痛い。鈍器で頭をなぐられたかのようだ

とりあえず立ち、ステータスを確認する


俺のHPは何故か全回復していた

頭は痛いがこれまでと比べて本当にぐっすり寝られたような爽快感があった

よくステータスを見ていくと見慣れないスキルがあった


【ヒュプノス】


しかも俺の固有スキルだった【睡眠不足】がなくなっているのだ


とりあえずスキルの詳細を見てみる


固有スキル【ヒュプノス】


〈詳細〉

このスキルはスキル【睡眠不足】の持ち主が永遠の眠り、つまり死亡した時に覚醒するスキル

【睡眠不足】は持ち主を極度の睡眠不足状態にする


〈効果〉

このスキルが覚醒した時点で蓄積されていた睡眠による効果を最大限引き出し、死亡の原因が魔物に食われた場合、仲間に殺害された場合、スキル【スキル強奪(睡眠状態のみ)】を獲得する

このスキルの所有者は睡眠が一切必要無くなる


このスキルを使用すると対象を永遠の眠りにつかせることが出来る


【スキル強奪(睡眠状態のみ)】

このスキルは対象が睡眠状態時のみ相手のスキルを強奪することが出来る



【睡眠不足】

このスキルは俺を散々苦しめてきたスキルだが、裏にこんなものがあったとは…


しかも相手を永遠の眠りにつかせるって…もうほぼ戦わなくていいってことだろ?強すぎるだろ

でもまだ【ヒュプノス】が絶対に敵にかかるスキルかは分からないから強いとは言えないのか?


【スキル強奪】と組み合わせれば実質スキル奪い放題ってことだろ?


まぁとりあえずこのことは置いておこう

先にここから脱出することが大事だな

あと俺がやられてからどのぐらいの時間が経過しているのか気になるしな


当たりを見回してみる

出口はすぐ見つかりそうだ

なぜなら俺がいるのは後ろに壁がありあとは前の一本道しかないからだ

とりあえず歩いていこう



5分ほど歩いたところにケルベロスがでて来た

以前の俺なら叫び出して逃げていただろうが、何故か今は勝てるような気がした

俺はケルベロスに向かって手の平を突き出す


【ヒュプノス】


俺がそう呟いた瞬間、ケルベロスは力が抜けていくかのように目をつぶり倒れた


近づいて見てみる。

永遠の眠りと書いてあったので俺の時のように死ぬのかと思ったがこれは状態異常のような強制的に眠らせるものらしい

永遠と書くぐらいだから多分この眠りは絶対に解けないのだろう

そして俺はもう一度手をかざし【スキル強奪】とつぶやく

〈スキル【並列思考】を獲得しました〉

やっぱりこのスキルも使えるらしい

そして【並列思考】か…

試しにつかってみよう

【並列思考】


(よっ!もう1人の俺!俺は擬似的に作られたもう1人の俺でいいんだよな?)


頭の中でもう1人の俺のようなものが声をかけてきた

ああ、多分そうだぞ


(わかった、ありがとう)


10秒ぐらいつけていると、急に強烈な吐き気に襲われた

急いで【並列思考】を解除する

その瞬間異常な程の吐き気はおさまった

このスキルの際だったようだ


このスキルはまだ俺には早いようだ、なのでつけるのはまた今度にしよう


ケルベロスを倒した後は魔物は出てこなかった

進んでいくと出口らしきものが出てきた

穴から照らすのは眩しい光

今は昼間のようだ



こうして俺の新しい人生が幕を開けた…


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