第23話 待ってて

どうしたの? 

    笑って許せる? 心が痛まない? 余裕のある女だって?

    イヤだ、嫌だ、そんな貴女は……、嫌いだ!

    泣いてよ! 傷ついてよ! 自分に正直になってよ!

    でも、そんな貴女は、、見たくない……

    他人には見せないで! 僕にも見せないで!


なにが あったの?

    鏡に映る自分に、ぶつけようよ、その思いを。

    鏡に映した、泣きはらしたその顔を

    朝(あした)には、拭き取ろう、ねっ!

    そして夕べには「おはよう!」って。

僕に、僕にだけはおくれよ。


出かけなきゃ。大急ぎで、駆けつけなくっちゃ。

    傘がないんだ! 忘れたのかな? きみの部屋に? 

    困った、ホントに困った。どしゃぶりだモン。

    あれえ? 誰も、傘をさしてないよ?

おかしいぞ、おかしいよ、こんなことって。

    こんなに雨が降ってるのに、どんどん降ってくるよ。


待ってて……、すぐに駆けつけるからさ。

  


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(独り言)

少しずつ忍び寄り始めた、すれ違いのとき。すれ違いのこころ。

何とか修復を図ろうとするも、言葉だけが専攻して、中々に思いが伝わらない。

優しい言葉が、相手に伝わるとは限らない。

優しい行動が、相手を慰めるとは限らない。

否! より苦しめることがあることを、当時のわたしは気付いていませんでした。

なにがあったのか……、今もってわたしには分からないことです。

わたしの多情性? が問題だった?

いやいや、それよりなにより、誰が本命だったのか、正直、今もって……

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