第23話 待ってて
どうしたの?
笑って許せる? 心が痛まない? 余裕のある女だって?
イヤだ、嫌だ、そんな貴女は……、嫌いだ!
泣いてよ! 傷ついてよ! 自分に正直になってよ!
でも、そんな貴女は、、見たくない……
他人には見せないで! 僕にも見せないで!
なにが あったの?
鏡に映る自分に、ぶつけようよ、その思いを。
鏡に映した、泣きはらしたその顔を
朝(あした)には、拭き取ろう、ねっ!
そして夕べには「おはよう!」って。
僕に、僕にだけはおくれよ。
出かけなきゃ。大急ぎで、駆けつけなくっちゃ。
傘がないんだ! 忘れたのかな? きみの部屋に?
困った、ホントに困った。どしゃぶりだモン。
あれえ? 誰も、傘をさしてないよ?
おかしいぞ、おかしいよ、こんなことって。
こんなに雨が降ってるのに、どんどん降ってくるよ。
待ってて……、すぐに駆けつけるからさ。
------
(独り言)
少しずつ忍び寄り始めた、すれ違いのとき。すれ違いのこころ。
何とか修復を図ろうとするも、言葉だけが専攻して、中々に思いが伝わらない。
優しい言葉が、相手に伝わるとは限らない。
優しい行動が、相手を慰めるとは限らない。
否! より苦しめることがあることを、当時のわたしは気付いていませんでした。
なにがあったのか……、今もってわたしには分からないことです。
わたしの多情性? が問題だった?
いやいや、それよりなにより、誰が本命だったのか、正直、今もって……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます