第7話 君

灰色が雲に、我見たり!

背筋も凍るが如くに

白き太陽


紫陽花の雨に打たれし

その後で、花は咲きにけり

心変わり、移り気

あゝ花が言葉の、切なさよ


飛び交う蜂にも、心はあらむ

蜜を吸われし、花とても

やむごとなき

愛する人への、想いぞ哀しき


地に棲む虫も、数あれど

中でも弱き、汝は蛙なりや

蛇に飲まるるそれが為

短き生命ちを、花咲かす


“いかばかり 恋しくありけむ 我が背子よ”

口に出ししぞ、愛しかりける


吾が倖せひとつなる

閉じし瞼の、その裏に

浮かびし君を、語るとき


------

(独り言)

文語体に憧れた時期でした。

当時付き合っていた女子が書く文語体の詩に感動していました。

なめらかなことばが、リズム感溢れる音楽のように、染みこんできました。

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