第175話

 ついに迎えたくもないものを迎えてしまった……。

 テスト本番は嫌でもやってくる。


 試験日は三日間。

 そのうち最初の一日である今日は日本史とコミュ英。あと数学I。悲しいくらい苦手なのが揃っている。

 全ての教科できないと認めてしまえばそれまでだけれども。


 日本史のテスト用紙が配られる。

 テスト開始の鐘がなり試験官が細かい注意事項をチマチマ言っている間に名前を書いて問題に取り掛かる。

 何を言われているのか分からないほどてはない難易度の問題の数々。

 でも自信を持って答えられるのは、ほんの一握り。あとは記憶の隅を引っ繰り返して探していく。


 後半の授業はテストを意識してめっちゃ頑張って聞いていたからそこの内容だけは順調に自信を持って答えられた。



 テストが終わり解答用紙を回収した後、亀谷くんと話す。

「次の英語が本当に不安なんですよ…」

「俺は数学が……。」

 普段は楽しい会話だけど今日ばかりは話していても辛く重たい空気にしかならなくて楽しめそうにない。

「はぁー、テスト本当に嫌ですね」

「そうだ!!テスト終わったらどこか遊び行きましょ!!」

「いいですね!!」

 挙げ句の果てには現実逃避。こんなことしてもテストからは逃げきれないって分かっているのにしてしまう……。

 学生が逃げられない悩み。

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