第161話

結局、授業中一分たりと寝なかったのは唯一、一限目の時間だけ。

他は問題を解いてる間にだんだんと、ノートを写している間にだんだんと、解説を聞いている間にだんだんと眠くなってしまう。

そして起きたときにはどこをやっているのか分からないなんてことがたくさんあった。

それに何気に一番嫌なのがよく分からないところに痕が出来ていること。


おでこに前髪の痕だったり、腕に髪の毛の痕だったり、腕に机の引き出しの中に入っているものの痕がついていたり。

これがなかなか取れないのと、ひりひりしてしまって痛い。


ひりひりしている間はいい。

なにせこれが気になって眠れないから。

でも、これがだんだんと治ってきて眠気が急激に増してきて、授業で寝てしまう。

寝るせいで授業を聞き逃すのも当然、問題だけれども……それ以上にいびきとか寝息がうるさくなかった気になってしまった。

そしてこういう人間関係の問題って一回気になりだすとなかなか興味がずれていかない。

興味というかこれは多分恐怖というんだと思う。


このての話を自分から聞く勇気もないけど、ほかの人からしてみたら

「ねごと、凄いですね」なんてもっと言えるわけない。

だから俺は寝言を言ってないって自己暗示をかけながらこの学校生活生活を送る。

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