第155話

 昨日の俺よ。

 なんで五分くらいの面倒をサボったのか。


 今、俺はいつも通り学校へ行く時間の一時間近く前に起きた。

 そして鏡を見ると戦闘民族の髪型になっていた。

 根元から起き上がって、非常に硬い意思を固めている奴。


 水をつけてもへこたれない。

 根元に水をつけて上からドライヤーをかけるとようやく、少し動くかなってレベル。


 この髪形の除去に一時間分の三十分を使ってしまった。

 普段、この三十分で朝ごはんが食べられたりするけど今日はもう食べえる暇がない。

 お金が勿体ないけれども今日はコンビニでおにぎりか何かを買ってそれを朝ご飯にしよう。

 お昼は学食の安いコスパ最強ご飯で大丈夫。


 寝ぐせのせいで新しい費用が掛かってしまった。

 昨日の五分をめんどくさがったから……。


 一周回ってスガスガしい、いい気分。

 昨日の怠惰がこんなにも生活に影響するんだって感じた瞬間だった。

 昨日は精々少しめんどくさくなるかなって程度だったのにまさかお金が余計に発生するなんて考えてもなかった。

 これからはちゃんと髪を乾かそうと思う。


 そして着替え終わって中途半端な時間をのんびりだらだら過ごす。

 コンビニに寄るから早く出ないといけないとは言っても今出たら早すぎるし、ご飯を食べるほどの時間はないくらいの嫌な時間。

 そんな時間を過ごしつついつもよりも十分早く家を出る。

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