第153話
最悪の負のスパイラルを抜けられない俺は昼休みは話す人もいなくて、結局一人悲しく勉強。
周りの賑やかな中一人勉強するのも嫌になってきたので図書室に行って勉強してみる。
俺の貧相なイメージでは頭のいい人は図書室で勉強しているイメージだから俺も底に言って見ればって思ったけど……図書室でワークを広げても解ける問題は十問に一問くらいでその章の一番最初の一番簡単なところ以外分からない……。
悩みに悩んで答えを見て理解した気になる。
そんなことを繰り返して、繰り返して。
図書室の紙の匂い。
これが始めてくる俺の鼻につく。
いい香りではないけれども……どこか落ち着くにおい。
俺にとって一番難しいのは複雑な公式を覚えること。
xがどうした。yがどうした。
二乗だとか三乗がなんだとか意味の分からないことをつらつらと書き並べているあれらに何の意味があるのだろか。
図書室の静かな空気の中俺はそんなことを考える。
チャイムがなる。
次の時間は移動教室ではないことは確認済みだから焦らず、ゆっくり帰る。
急いで帰ったところで周りに話す人がいるわけでもないし、何かすることがあるわけでもないから。
机の上に載っていた消しカスをごみ箱に捨てて、筆記用具をまとめて腰を上げる。
時計をちらっと確認するとあと三分。
まだ時間はある。
ここから二分もかからないほど近い距離だから。
まだ走るほど余裕がないわけじゃない。
そう思ってのんびり歩いていると周りの生徒は焦り始めているのか小走りになっていた。
チャイムが鳴った。
さっき確認したときにはまだ三分もあったのに。
急いで教室に帰って、授業担当の先生に軽く謝りながら教科書を取りに行き授業の準備を終わらせる。
後で聞いた話だと図書室の時計は時間がずれているらしかった……。
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