第152話
昨日、決心した通り今日は誰かに勉強を教えてもらうんだ!
自分の中で精一杯の覚悟を決めて学校へ行く。
普段はもういるはずの亀谷くんがまだいなかった。
『キンコーンカンコーン』
チャイムがなっても結局来ないまま。
隣の席の良子さんは俺と反対側のお隣さんと話してて忙しそう。
大田くんと取手さんは自分たちの世界を作ってて俺の入り込む隙間はない。
つまり今、俺はめっちゃボッチ。
先生に聞こうにも先生に聞こうものなら今、授業をやっているところを何一つ出来てないって教えてるようなものだから先生にも頼れない……。
ここまできたら状況に絶望するしかない。
先生もダメ。
友達も今日、頼れない。
この先にあるのはなんだろうか。
例えば、知らない人に話しかけて勉強を教えてもらえるように頼むしかないのか……。
他の方法を俺は知らない。
でもこの方法は俺には絶対に実行できない。
なぜなら俺がコミュ障だから。
そしてコミュ障は今に始まった話じゃないから今更直そうとしても直そうと努力しているだけで1日が終わってしまう。
なんならテスト期間が終わってしまう。
今、最も必要だの騒ぎ立てられてるコミュニケーションの勉強よりも、将来1ミリも使わない数学の勉強の方がよっぽど俺には大切だから。
「はぁー。」
みんな自分たちのグループで固まって話している。
そんな空間にボッチの俺に話しかけてくれる物好きはいないし、いたとしたらそれは警戒したほうがいいやつ。
そんな世知辛い世界だから俺はどうにもできなくて落ち着きがなくなって挙動不審になってしまう。
そしてもっも人が離れていく。
そんな負のスパイラル。
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