第146話

 下手に格好をつけると碌なことがないって学んだ日の真夜中。


 ご飯は意外となんとかなった。

 軽ーく食べるものならあったからそれを少しずつつまむだけになってしまったけれど……何も食べないよりも全然嬉しい。


 そんな痩せ我慢は夜という長い時間には勝てなかった。

 最初のうちは本当にお腹いっぱいだった。

 1時間、2時間と時間が過ぎていくうちにどんどんお腹が空いてくる……。


 そして夜中、12時手前に限界を迎えてしまう。

 どうしても何か食べたいっていうか空腹感に襲われてしまう。

 軽くつまめるようなものは全て俺の夜ご飯になってしまった。

 どうしても諦められなくて、このままじゃ絶対に寝付けないって確信があったからコンビニへ行くことを決意した。


 コンビニに行くのは昼間と同じでなんの面白みもなく終わってしまった。

 この街に来てからの初めての深夜外出だったから何か変わるかもしれないって少しだけ期待してたけれど、そんなこともなくただあたりが暗くなっただけだった。


買って来たのはあっさり系のカップラーメン。

あっさり系なのはこの時間にカップラーメンを食べるためのせめてもの償い。

ほんとはガッツリ系だけどここはしかない。

いくらお腹が減っているからといってこのタイミングでのカップラーメンでガッツリ系は明日が、これからが怖すぎた。

最近、ただでさえ運動ということをしていないのにこれ以上罪を重ねてしまったら俺は何になってしまうのだろう、なんてアホなことを考えているといつのまにかお湯が沸く。

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