第142話

勉強会の予定が決まった。

楽しい予定とかは関係なく、ふだん通りの日常も送らなくてはいけない。


憂鬱な授業とかいうことだったり、楽しくて勉強のやる気をなくす部活というものが俺の邪魔をしてくる。

いくら勉強会をやるからと言って何もやらなければそもそも、俺の頭が絶望過ぎて基礎の基礎すら出来ないことなどやらずとも分かる。

よくこれで高校に受かったなと思えるほど俺は馬鹿。

受験の時ばかりは人生がかかっていた。

それに猶予もたくさんあったから基礎の基礎からやっても間に合ったけれども……今はもう忘れてしまった基礎の基礎をやる暇なんて存在しない。


あと二週間で完璧ではなくともいいから、今やっているところをある程度できるようにしなければいけない。

言葉にすると簡単で仕方のないこれが現実にしようとすると難しくて仕方がない。


こんなことを考えてしたら、もう授業が終わっていた。

一応、無心でノートはとっていたけれども……別のことを考えていた俺に内容を理解する余裕なんてものはない。

これでまた分からない授業が一つ出来上がってしまった。

こんなことの積み重ねで今、俺は勉強が出来ないのは分かっている。

でも楽しいことの方に流れてしまうのは人間としてどうなのか……。


次の授業こそは真面目に受けよう!なんて頼りない覚悟を決めて、次の授業である古典に挑む。



「――じゃあここ大通君、分かりますか?」

……分かりますか……?

「分かりません」

古典の先生はさも分かって当然という感じで俺に聞いてくれれども……分かるわけがない。

「えっと……ここはこの間の授業で説明した――」

そしてどうしたって眠くなるこの授業を聞いていると瞼が重くなってくる……。


そしてそれに抗うために気合だけで対抗する。

そして意識も朦朧としているけれど、起きてチャイムを迎えることができた。

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