第137話

 テスト範囲をまともに学ばずに授業を終わらせてしまった……。

 ただでさえ、授業が分からなくて詰んでるところにこの一時間でさらにその溝が深まってしまった。

 自覚はあるけれどもわざわざ家で勉強する必要はないと思ってしまう。

 頭では分かってる。テスト前だけ勉強して赤点を回避出来るほど俺の頭は良くない。

 なんでこんなにも勉強に置いてかれているのか…。

 勉強が入学から一ヶ月経たずに詰んでしまう。

 そんな馬鹿でも唯一の救いはそれを気付けていること。

 これで他の人よりも一瞬だけ、ほんの何日かだけでも勉強するチャンスが巡ってくる。

 勉強するかは別としても、それは心の持ちようが全然違う。

 何度も言うがそれなのに勉強する気は何故か起きない。

 

 なんでと言われれば困るけれども結局放課後になってしまえば考えるのは部活のことだけ。

 授業中あんなにも真面目に自分が勉強をしないといけないと考えていたくせに最後は結局自分の楽しいことにしか目がいかない。

 これがダメなのは分かっているけれども…分かっていてもこんなことをしてしまう。


 こんな暗いことを考えていても活動場所の美術室に着いたら全て忘れてしまう。

「こんにちはー!」

 初めての部活だから特に気合を入れて挨拶をする。

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