第134話
寝ぐせと格闘すること十分。
気づくとそろそろ出なければやばい時間。
寝ぐせの具合は少し、心持ち、なんとなく落ち着いてきたかなくらい。
最初に寝ぐせのついているところを濡れた手で押さえつけてみる。
当然の如く復活。
次にいったん髪を洗ってからドライヤーとフェイスタオルで頭を拭いてみる。
それでも復活する。
開き直って最新ファッションってことで登校してもいいけれども今日は何といっても初めて部活に参加する。
だからそれなりのおしゃれを心掛けたい。
この髪形をおしゃれと言い出すのであればそれ相応の覚悟がいる。
でも時間も迫ってきてる。
そんな葛藤の中、どうしようもなくて急いで髪をびしゃびしゃにして水っぽさを拭きとると寝ぐせの後はなくなっていた。
これくらいで治るなら最初の一回で治れよっていう誰にも言えない訴えを思いながら着替えを済ませてしまう。
悔しい、けどぎりぎり間に合ったから許せなくもない。
そんな寝ぐせに抱くには大それた感情を抱いてバタバタと慌ただしく今日の授業に使うものと部活に使うものを準備する。
そろそろ下の階の人からの苦情が来そうだなって思いながらも、電車出発10分前の味わいたくもないスリルを味わう。
遅刻の恐怖に襲われながらも頑張って走って、走って何とか間に合うけれども……こんなことをずっとしてたら疲れるな。
そんなことをふっと思ってしまった。
そして遅延もなく何とか時間内に学校に着くことができた。
代償として汗だくになってしまったけど……致し方なし。
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