第133話
大田くんと取手さんと話し終えたのが11時。
当然、夜の11時。
大田くんは隣だからいいけれども…取手さんはどうするのか…。
「取手さん、もう多分バスとかないですけど…」
「あ〜大丈夫ですよ〜。隣に〜私の〜着替えとか〜置いてあるので〜お隣の〜部屋〜泊まります〜。」
平然と言う取手さんに驚いた。
高校生で幼馴染とはいえ恋人の部屋に二人きっりで泊まるんだと驚いた。
「どうせ、こいつは俺が何を言ったところで泊まるから諦めたさ」
特に何も言っていないのにそんなことをいう大田君のおかげで俺が知らないだけじゃなくて取手さんの警戒心のなさが異常なのだと気づいた。
そんな二人を見送ったらもう深夜。
明日も普通に学校だけれどもこんな時間になってしまった。
明日も遅刻とかは本当に冗談にならない程度にやばいのでちゃんと目覚ましを三回ほどセットしてから寝る準備を始める。
ご飯は大田君たちがいたときに軽く食べたので必要がない。
もうこんな時間だからと思ってお風呂は入れずにシャワーだけで済ませてしまう。
今日は言うて寒くはなかったからお風呂に入る理由もほとんどなかったのでちょうどいい。
水道代の節約。
……そんな世知辛いことを思っていたらもっと世知辛いことを思いだした。
親からのお小遣いが今月から減る。
このままだと日常生活もままならなくなってしまう。
だからどこかバイトを探して可能な限りないって行かないと。
と言ってもこっちでバイト先を紹介してくれそうな人に心当たりがないから何か適当なアプリでも使って調べるしかない。
でもこれも、また明日にしてそろそろ真面目に寝る準備を始めなくては……。
また明日も遅刻するって言う結果が見え始めるくらいに今、眠い。
自然に瞼が落ち始める。
そんな中、ふらふらとシャワーを浴びて最低限のことだけをやってからベットに着くと同時に意識が飛んでいく。
目が覚めたのは目覚まし通り。
落ち着いて時計を見ても、時間は普通。
このくらいの時間に起きれればまず遅刻はない。
その代償としてめちゃくちゃ眠いけど。
顔を洗おうと重い腰を上げ、鏡の前まで歩く。
鏡を見て驚いた。
紙が自我を持って、至る方向にうねっている。
特に目立つのは、上向きに逆立っている髪の毛。
いつか一度だけ見たスーパー〇イヤー人にも負けていない逆立ち方。
ただあっちとは違ってこっちはダサい感じ自我を持ってしまっている……。
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