第130話

「大通君。今日、どうしたんですか?」

「寝坊しちゃって……。」

 申し訳なさそうにそういうしかない。

 こんなにも答えにくい質問があっただろうか……。

 そのレベルで答えにくくて申し訳ないのない質問。

 だって真面目に学校に来ている人よりも楽をしているのだから。

「あードンマイ。じゃあノート後で写します?」

「ありがと。後でお礼しますね」

 そんな会話をして、三時間目が始まる。


 そしてつまらない授業でも眠れない苦しみに初めてあった。

 いつもはつまらない授業はつまらないと認識する前に寝始めてしまうからそんな苦痛とは無縁だったけれども今日ばかりはそんなことも言ってられない。

 古典の先生が何を言っているのか分からないけれど、黒板に書かれていることが訳が分からないけれど眠れない。

 瞼が落ちてこない。落ちてきてくれない。

 悲しいけれども、こんなマイナスなことで健康的な生活って大切なんだなって気づいた。


「じゃあここ……大通。答えて見なさい」

 初めてこの古典の授業中、先生と目が遭って指名されてしまう。

 普段の授業を聞いてない俺が答えらるほど世界は甘く無くて何を問われているかは分かっても答えは分からない。

 周りの人に助けを求めようにも周りの日は心配になるほど深い眠りの中にいるから求めたところで意味がない。

だから素直に答える。

「分かりません」

 と。

「いいか。ここ、この間も説明したからな。」

 そこからこちらを見ることもなく、黒板を見つめて説明を始める。

 それでもやっぱり意味が分からない。

 俺はテストは大丈夫なのだろうか……。

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