第127話
「……はぁ」
「どれも良さげですね……。」
メモに書かれていた『外国のお菓子』。
メモの内容がアバウト過ぎて何を買えばいいのか分からない問題。
このメモを書いた亀谷君のお母さんに連絡をつけようにも音信不通。
適当なものでもいいかって結論になったけれどもその適当なものですら候補が多くて悩みに悩んでしまう。
例えばレモン風味のパイ。アメリカのカラフルで蛍光色なグミ。マカロンぽいおしゃれなお菓子。
どれも食べたことがないからどれが美味しいとか分からない。文字も読めないからパッケージと感で選んでいく。
そして最後まで悩んでいるのがさっきの三つ。
あの三つから決めようって決めているらしいけどどれも良さげでそこから決められない。
「……よし!これに決めた」
そう言って手に取っているのはレモン風味らしきパイ。
一緒にお店を回って俺も何か欲しくなってしまった。だから最後まで悩んでいたものの一つ、カラフルなグミをレジに持っていく。
買い物を終えたら時間的にはあと少しで帰宅ラッシュが始まってしまうくらいだった。
帰宅ラッシュにかぶらないように急いで駅に向かって電車に乗る。
ここからの方向が違うみたいでバタバタとしていたらバイバイになってしまった。
帰り道の電車。ぎりぎりで人の少ない時間に乗りこめたおかげで座ることができた。
なんだかんだ電車で座るのが久しぶりな気がする。
のんびりと電車に揺られていると、楽しかったなって感情が全身に広がっていく。
ホッとするような、心地のいい疲れ方。今朝の憂鬱はほとんどなくなっていた。
家に帰ってからこのグミを食べるの楽しみだな……。
ご飯の準備を始める前に少し食べてしまおう。
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