第126話

たこ焼きを食べるのは久しぶりな気がしている。

ここにはいろいろなトッピングがあってネギやチーズ、カレー粉とかのっていたけれども久しぶりだしノーマルタイプのものにした。

久しぶりだしやっぱりシンプルに行きたい。


隣で注文している亀谷君はこなれた様子。

「ネギ少なめのマヨネーズ多めでお願いします。」


三分くらいガラス張りになっているところから幼稚園生くらいの子と一緒に眺めて楽しむ。

会話は特にないけれども考えていることは一緒だと思う。

そして三分経ったら出来上がったものを受け取って通路の真ん中にあるベンチに座ってたこ焼きを食べる。


一つ割りばしでつまんで、一口『カリ』っていう外側を食べてみれば、中から外側よりも熱いとろっとろの生地が溶けだしてくる。

だんだんと口の中の熱が収まって味が分かるようになる。トロッとしたその生地だけでもちゃんと味がついているけれども、上にのっている青のり、鰹節、それにマヨネーズ、何よりソースの味が交わって最高においしい。

「美味しいですね」

「ほんとに、やっぱりここは美味しい。」

「よく行くんですか?あのたこ焼き屋さん」

「うん。月一回くらい。お金に余裕がある月はもう少し来るけど……。」


そんな話をしているうちに食べ終わってしまった。

「そういえば……買い物って何を買いに来たんですか?」

「あ!そうだった。たこ焼きで満足するとこだった。えっと今日は……」

バックの中からメモ用紙を取り出す。

「洗剤と玉ねぎとよくわかんないけど外国のお菓子だって。」

「じゃあ頑張って買い物、終わらせちゃいましょ!」

「おー!」


そんなことを言ったけれども……外国のお菓子が分からない。

メモに書いてあるのが適当で『外国のお菓子』って書いてあるんだもん。


輸入品を中心に扱うお店に来たはいいけれども……数が思っていたよりも多かった。

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