第125話

人と居れば楽しくて、時間がぱっぱっと過ぎていく。

そして気づけば、放課後になっていた。


今日は部活動見学には行かない。

このまま帰って、亀谷くんと遊ぶから。

「今日、どこ行きます?」

「近くのショッピングモール行きません?」

多分この間、大田くんと一緒に行ったところ。


そして電車に揺られてこの間大田くんと来たショッピングモールに着いた。

ただ一緒に来ている人が違うと違く見える。

この間は大田くんとだったから小さく見えたこのショッピングモールも亀谷くんとだと大きく見える。


こんなところで大田くんのデカさを実感するとは思ってなかった。


大田くんと一緒に来ていたことを思い出すと最近遊び回ってるなって思った。

中学時代では考えられなかったけど……今では遊び回るのが日常の一コマになってしまっている。

この楽しさが当たり前になるのが楽しみでもあり、少しだけ怖くもある。


そんなことを考えながらショッピングモールを歩き回る。

この間来た時も食べた、クレープのにおいが漂ってくる。

他にもいろんな美味しそうな匂いが漂っている。


なにが言いたいかと言うとお腹がとても空きましたって言う話。


「亀谷くん、お腹減りません?」

「そういえば…少しだけ」

少しだけと言いながらはにかむ亀谷くんは多分、男女共にモテるんだと思う。

無表情で『腹減ったー』って呻いている俺よりも。


「なに食べます?」

「……たこ焼きが食べたい!」

亀谷くんに聞いたら予想外な食べ物が出てきた。『少しだけお腹が減った』って言ってる割にはめっちゃ食べるなって少しびっくりした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る