第124話

謎の憂鬱な気分のまま、教室にたどり着く。

教室にはまだ、知り合いが誰一人としていなかった。


時間をフッと見るといつもよりも少しだけ早かった。この少しの差でこんなにも順番が変わるんだって気づいた。

亀谷君、良子さんは早く来てくれないかな。


じゃないと本当に暇すぎる……。どんどん帰りたい欲求が増していく。

昨日たくさん寝たはずなのに眠たい。


憂鬱な気分のまま自分の席でのんびりしている。

のんびりと何も考えずに過ごして多分、数分で亀谷君が来てくれた。

「おはよー」「おはよう。月曜日になっちゃったね……。」「なっちゃいましたね」

そんな内容のない話をしながら時間が経つのを待つ。



亀谷君と話していたらチャイムが鳴った。

やっぱり人と話すって楽しいな思った。

そして朝のSHRが始まった。学校が始まってしまったって改めて絶望する。最悪って感情とともに朝は出てこなかった楽しいかもって言う淡い希望が湧き出てくる。

そして何気のないタイミングで今日の時間割が目に入ってくる。

そこには嫌だなって感情が加速するほどの座学が並んでいた。


数学、英語表現、国語総合、コミュニケーション英語。意味の分からない授業代表の方々。


逆にここを乗り越えてしまえば……という気もしている。

でもやる気の一割がどこかへ飛んで行ってしまった。

ため息が自然と出てきてしまう。朝のSHRからすでに眠たい。


寝そうになるたびに亀谷君が起こしてくれる。そんなありがたい心遣いがなければ今頃、俺は夢の中にいると思う。

そのくらい眠たい。


気づくと……朝のSHRが終わってしまっていた。

椅子の動く音で跳ね起きた。亀谷君の努力、空しく寝てしまったらしい。

わざわざ起こしてくれていたのに申し訳ないって気持ちが湧き出てくる。

「ごめん、寝っちゃってた……。」「ドンマイ。めっちゃ寝た痕ついてるよ。」「まじか。恥ずかし……。」

次の授業の用意をしながらそんな日常の会話をする。それが何気に楽しい。

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