第112話
ようやく待ちに待った、放課後がやってきた。美術部の見学が楽しみで授業に集中できていなかったといっても過言じゃないほど楽しみにしていた。
「大通君、ようやく放課後ですね。早く美術室行きましょ。」
俺がそわそわとしているのがバレていたのかそんなことを言われてしまった。
「こんにちわー。」
ワクワクと胸を躍らせる中、美術室のドアを開ける。
美術室の中は俺の想像以上に人がいなかった。美術室の中には俺と亀谷君を入れて7人しかいなかった。
「あ、大通君」
そして、良子さんもいた。改めて考えれば、写真が好きな人がここにいることは別に珍しいことではないか、と思い直す。
「一年生だよね?とりあえずこっちに来て。いろいろ説明するから」
椅子に座ってプリントを思っている先輩と思われる人に手招きをされる。
「「お願いします」」
「うん。えっと、この紙に名前とクラス書いておいて」
そういって渡された紙には良子さんの名前が書かれていた。
「じゃあ説明を開始するね。基本的に人数は今の人数くらいで活動してるの。幽霊たちがいっぱいいるからね。」
そんなことを笑いながら言っているこの人はそういうあり方を気に入っている気がしている。まあ、そもそも部活なんてものは気に入らなければやめればいいだけって考えもできるからここにいる時点で結構気に入ってるんだろうな…。
そうして始まった説明は美術それなりに好きな俺も理解が追い付かないものだった。
例えば活動時間が2時間。それはいい、まだ頑張れる。だけど活動日数が週6。つまり平日毎日、休日1日。そんなに書いてられないと感じそうになる。
でも部活の雰囲気はすごい好き。静かに絵を描ける空間。道具もある程度貸してもらえる。こんなに絵を描きやすい環境も滅多にないと思える。
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