第108話

何をおいても地獄だった休み時間が楽しみ過ぎて、毎時間が一瞬ですぎていく。

そんなことを6回も考えてると不思議なことに放課後になっていた。さらに嬉しいことに今日おこなった授業の内容を鮮明に思い出せる。

 休み時間のことに集中しきっていたはずなのにこんなことが開出来るなんてって自分でも驚くくらいに真面目に聞けてたらしい。やっぱり人間、ご褒美さえあればできるような単調な生物なんだな…。そんなことをつくづく実感する。

そんな余計なことを考えていたら最後のSHRも終わってしまった。


 「今日の部活動見学、どこいきます?」

そんな亀谷君の疑問に一番に出てきた答えは

「どこでもいいです。」

「…えー。じゃあ俺が勝手に決めてもいいですか?」

「いいよ。亀谷君と一緒ならどこ見ても楽しいと思うから。」

眠たくなってしまったので心のまましゃべり続ける。

「……んーじゃ軽音楽部見に行きたい」

この学校は生徒数が多いだけあって部活の数もかなり多い。それこそ部活動のオリエンテーションみたいなので配られたパンフレットの部活名の欄が一ページみっちり細かい字で埋まる程度には多い部活たち。


「「こんにちはー」」

息をそろえて軽音楽部が使っているという視聴覚室に入る。二日目だけど俺たちにとっては初めての部活動見学だから緊張する…。



扉の奥はいろんな音であふれていた。

ギターのかき鳴らす音とか人の歌声とかドラムの音とかに。音の原因の人たちは意外にも真面目そうな人たちが多かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る