第101話

…昨日、亀谷君以外と話す話題が見つからないと悩んでいた。そして今日は強制的にその悩みが解決されるかもしれない…。なにせ唯一の話し相手である亀谷君が本日、家庭の事情により休み。今日一日何をして過ごせって言うんだよ…。

隣の席は良子さんで、休み時間ずっとどこかに行ってしまってる。前の席の人は亀谷君、今日は休み。俺は一番後ろだからこの人たち以外に席面してる人がいない。

この教室にいる知り合いはあと大田君と取手さんがいるけれど…あの二人は自分たちだけの空気を作ってる。カップルのそんな空気を壊せるほど俺は空気が読めないわけじゃない。

だからあの二人のところには行きたくない。でも新しい話し相手を探す勇気は出ない。


そんなことを考えながら一時間目の休み時間は終わってしまった。二限目に期待!心に決めながらしっかりと授業を受ける。明日亀谷君が復帰した時にノートを写すようだから綺麗に板書を出来るように工夫をする。


…あーヤバい。次、移動教室だ。

移動教室の中、一番つらいのは移動時間。周りは友達だったり彼女、彼氏と仲良く歩いて移動先の教室に向かうのに俺は一人で物凄い浮いている気がしてくる。そんなことを考えつつ教室までつく。

後半、流石にいたたまれなくなって話したこともなければ名前も知らない人の後ろを如何にも友達ですっていう顔でついていく。「えっとどうかした…?」「あっ。ごめん。何でもない」時折混ざる気まずさマックスな会話。後ろを無言でついてきている俺に対して当たり前の反応。そして対して面白い返しもできないから気まずくなる。


亀谷君。心の底から助けてほしい。

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