第100話

「大通君。さっきの授業の内容教えてくれない?」寝てたからわからないというまあ当たり前の話。真面目に受けたうえでわからないじゃないからいいことじゃないけど学ぼうとする意欲はあるのが凄い。「いいですよ。さっきの授業は教科書の8ページまで進めました。」「この意味の分からないところまでですか?」「うん。正直、俺も全然わからないかった。」そんな感じで仲良く、話しながら授業のおさらいをしていく。多分、これ俺の復習にもなってるから嬉しい。


授業がまた始まる。

さっきの休み時間は亀谷君に授業の内容を教えていたら終わった。そのおかげで俺がボッチになって高校でも友達ができないなんてことはないと思う。それに亀谷君っていう友達もできたし。

「~となります」国語の使い時の分からない単語の話を聞いているとき前から寝息が聞こえてくる。その寝息は眠い俺に『起きていろ』とエールを送ってくれてるみたいで目がさえてきた。


「亀谷君!俺、今日一回も寝てません!」中学の時は起きている授業の方が稀に、どころか授業にいるのも稀な人物が高校に入った途端にこうなる。凄いビフォーアフターが出来上がった。「え…。古典も寝なかったの?先生の声マジで眠くならない?」「いや眠かったですけど頑張りました。」


…。俺毎時間亀谷君と話してると休み時間が終わってるという事実に休み時間が終わってから気が付いた。これだと亀谷君が学校を休んだ時に話す人がいなくてボッチになってしまう。それは怖いけど…それでも亀谷君以外と話す話題が思いつかない。だから亀谷君が休まないように祈ることしかできない。そうして話しかけに行こうとしてチキってできないまま一日が終わってしまった。

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