第95話
「フー…はー。まただ。ここはどこなんだよ。」とにかくさみしさに飲まれないようにして半場無意識に走っていたらどこだかわからないところに来てしまっていた。…最近迷うことが多くなってきたんだから少しは反省をしてもいいものなんだけどな…。でもあえて言う。俺にまともな反省なんてできっこないと。
持ち物を見て現状整理。携帯は…上着のポケットに入れておいたから問題なし。今確認してもちゃんと入ってる。財布も…反対側の上着のポケット。あとはすりにあっても被害を抑えられるように千円札が上着の内側に入っている。だから電車に乗るとなっても最悪大丈夫。
次に周りの様子。…時間帯の所為か人の気配のしない住宅街。もう少しすれば塾とかから帰ってくる人とか会社が遅めに終わった人がいる時間帯なんだと思うけど今は学校の下校が終わって、帰ってきた子が遊びに出かけて行ってすぐくらいの時間。「よりにもよって住宅街か…。」住宅街っていっぱい人がいそうだけど時間帯によっては一番人に会いにくい場所だからな。
…普通に携帯があるんだから地図使えばいいじゃん!悩み始めて1分くらいたってようやくまともな意見が出てきた。
携帯でマップの機能を使って目的の建物、マンションヨーロッパアルプスを打ち込んでその方向に歩き出す。地図で示された場所は意外と近かった。
「…俺ってこんなところを走ってきたっけな?」そんな景色も多々あった。岡があってそこからの景色が、見晴らしが綺麗だったり印象的なものがいっぱいあった。
「あー帰ってこれたー」自宅の景色をみて安心した。
『がっちゃ』という鍵を開ける音でふっと思い出した。確か家を出たのはさみしさを紛らわせるためだったなっていうことを思い出した。
あ~やっぱっり走るっていいな。それだけが今日出来た唯一の勉強。
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