第90話
「よし、あとは丸付けだけ。」そこまで行くときには夜が終わってた。一睡せずに頑張ってもあと1時間もしないうちに学校に向かわないとダメ。
一睡もしてないから鏡を見るまでもなく酷い顔をしてるのが分かる。体もだるいし頭も重い。…これからテストか。これまでで一番悪い点数になる気がする。
何とか終わった…。時計を見るとあれから50分しかたってない。…まだ何も準備してないじゃん。やばい。こんなに頑張ってワーク終わらせたのに遅刻する。
電車内、辛かった。走って汗ばんで気持ち悪いし、今日良子さんとも大田君とも会えなかったから電車の中で仮眠を取ることもできずにそもそも時間が悪すぎて座ることなんて出来ず通学で体力の半分近くを使ってしまった。
朝からやばいこと続き。こんな不運だとテストで寝っちゃって解き終わらない、みたいな落ちがあっても納得できる。
「あぶねー、ギリギリ」チャイムが鳴るのとほぼ同時に教室に着いた。意外と教室は騒がしくて目立たなかったのが今日、唯一の救い。
「おはよ~」「おはよう。」前の席に座っていた亀谷君に挨拶をかえしてから自分の席に着いて大人しく寝ることにする。流石に体力が持たない。
「はい。じゃあ今日はテストだから不正行為のないように頑張れ。」そんな激励と同時に目が覚めた。「…またホームルーム聞き逃した…」これでホームルームを真面目に聞いたのは昨日の朝のホームルームだけという事になった。流石に入学当初から、これはやばいから今日の帰りは頑張って起きていよう!
「ワーク、間に合った?」亀岡君に話す。「なんとか終わったー。昨日持ち物教えてくれてありがとう」「全然大丈夫だよ。てかちゃんと寝た?」「寝てないけど…やっぱり分かる?」「まあ、真っ青だしね」今朝は時間がなさ過ぎてろくに鏡を見ないで走ってきたからあんまりわからない。
「そろそろ始めるから席につけー!」話していたら試験監督の見た目がやたらと厳つい先生が入ってくる。勉強し損ねた。、いやでも大丈夫か。今朝までやってたことなんだからわかるでしょ。
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