第88話
緊張したー。こんな感動的な場面に出くわしたのなんてほとんどないから心臓の音で周りの音が聞こえなくなるくらい緊張した。何度でも言おうほんとに緊張したー。
「プレゼントありがとうね」「お母さん、いつまで言ってるの」今はもう食器を片して食後に善子さんがプレゼントのお礼って言って入れてくれたお茶を飲んでまったりしているところ。
「お茶、ありがとうございます。」「全然大丈夫だよ。こちらこそプレゼントありがとうね。」
落ち着いてくるとお礼合戦になってくる。切り上げ時が二人とも分かってないからいつまでたっても終わりが来ない。
「お母さん、もうそろそろ話してあげて。居心地が悪すぎて大通君の顔色が凄いことになってるから」「はーい」少しお酒が入っているからか言動が子供っぽい。善子さんってこんな風に酔うんだ。
「ごめんね。お母さん、お酒に弱いのに自分がお酒に弱い自覚がないから結構お酒飲んでよくあんな感じなってるの。」良子さんがリビングのソファーで寝かけていた善子さんに肩を貸しながら寝室と思われる部屋に運んで戻ってから会話を始める。「サプライズ成功しましたね」「うん。お母さんがあんなに喜んでくれたの久しぶりに見た。ありがと。」「このくらいの協力ならいつでもしますよ」「本当に…ありがとう。大通君も何かあれば言ってね。可能な限り手伝うから」
そんな感じでのんびり話しながら7時半をまわったあたりで解散して自室に帰る。「は~楽しかった~。」電気をつけてから着替えることもせずにベットに飛び込む。
経験のしたことのないタイプの疲労感に襲われて眠ってしまいそうになった。
眠気覚ましに風呂にでも入るか…。
うとうとしたままシャワーを浴びると大分眠気もマシになってきた気がする。まだ明日の持ち物とかも準備してないから絶対に寝れない。そもそも何を持っていけばいいのかすら分かってないから亀谷君チャットを送っておこうと携帯をつける。
そうすると俺が使おうと思っていたチャットのアプリに着信があった。『兄ちゃん、俺に彼女できたよ!』興奮したままに打ったであろう弟からのチャットが着ていた。
…なんか悔しいから取り敢えず無視して亀岡君に明日の持ち物を聞いておく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます