第83話

お菓子屋さんにプレゼントを探しに来てカゴに入るのは自分へのお土産だけ。なかなか終わってる。


でもそれは俺のせいじゃないと思う。ここのお菓子が美味しすぎるのが行けないと思うから。

山になっているカゴを見ながらそんな言い訳をしてみる。今日はお金を結構持ち出してるからどうにかプレゼントを買う分のお金は残ってるけどいくらなんでも買い過ぎたとは思ってる。まぁ減らすつもりはないんだけど。


「買い過ぎたねー」「ですねー。」二人とも大きな紙袋いっぱいにお菓子を詰めた状態でそんなことを言って笑っている。正直この荷物を持って別のところに行く元気が出ない…。


「じゃあ次のところに行こうか」「はい。」ただどこに行くのか分からないので良子さんの後ろについていくしかない。


「で次はデパート行こー。あそこならなんかはあるから」

デパート…なんか響きだけでハードルが高い。高級感がある…。


「ここですか…?」そこはデカくて汚れが無くて、もうなんか語彙がなくなるほど凄かった。


中に入っても凄かった。なんか落ち着いた曲が流れてるけどその曲と対角に俺はこの高級感のせいで落ち着きが無くなっていく。もはやお店に入って値段を見る勇気すら出ない。「なんでこんなところ居て、平気で居られるんですか…?」聞いてしまった。気になってたことを聞いてしまった。「えっだってここお母さんと一緒に何度も来たことあるもん」あー納得。何度も買い物に来たらそれは慣れるわ。

「よーし、じゃあお菓子をロッカーに入れて買い物行こー。」今日の良子さんは超明るいんだけど。

そういう日もあるかって納得して良子さんの後をついて行く。「じゃあここにお菓子入れとこ。二人一緒でいい?」「はい。お金は俺が払っときます。」「じゃあ後でかかったお金教えて。半分返すから。」「このくらい別に大丈夫ですよ」「友達でいたい人とはお金のやり取りするなってネットに書いてあったからやだ。」「…じゃあやめときます。」良子さんが俺と友達でいたいって思ってたとか、幸せ過ぎて泣けてくる。

「どこから回りますか?」身軽になったからテンションが戻ってきた。高級そうなこのデパートのせいで元気がてなかったんじゃなくてただ手が疲れて元気出なかっただけじゃん。


体の一部の疲れは全身にまわるって言うことを学べた。

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