第78話

二人仲良く迷ったからどうしようもなくフラフラと一階と二階を往復してる。…ただ疲れただけで何も収穫がなかった。


「あの、これ意味なくない?」「あ~気づいちゃった?私もそう思ってた~」じゃあなんでやってたのっていうツッコミは頑張って心の中に押しつぶして、話を進めていく。「取り敢えず人も見つからないので俺が外から回って昇降口を見つけてきますね」「え、それでどうやってここまで帰ってくるの?」…どうやるつもりだったんだけ。やばいな。何がやばいのは言わなくてもわかること。


「そこの一年生何してるん?」うろたえること五分間。先輩と思わしき人が来るまでずっと騒いでた。「えっと迷ちゃって」「…校舎内で?」「はい」名前も知らない先輩に散々笑われてからその先輩に昇降口まで案内してもらってようやく外に出れた。


時計を見ると片付けが終わってから30分もたってた。さっきの場所で誰か通りかからなかったらもっと時間がかかってたのかと思うとゾッとする。…駅までの道は多分わかるから大丈夫。さっきまで迷ってたからか突然道が分かってるのか不安になってきた。

「あの、電車ですか?」「うん。そうだよ」「一緒に行っていいですか?」流石に恥ずかしくて道が心配なのでとかは言えない。「え?ぬしろここから駅まで別々とかなくない?」「…そうですか?中学ののときはよくありましたよ。」「え、いじめられてた?」「…多分いじめられてなかったと思います。」「そう。良かった。いや~でも本州って怖いね~」「でもいいところですよ」「私、修学旅行で東京行ったぐらいしか北海道から出たことなくて、やっぱり本州の冬ってあったかいの?」「…ここよりは?俺にはどっちも寒かったですけど。」

話しながら歩いてると周りは見覚えのない道にいた。「…あれ、ここどこだっけ?」「さぁ?」「あれ、また迷ったくない?」「ですね。」


さて今回は帰り道を見つけられる気がしない。周りは住宅街で人の気配がないし、人に聞けない。「まあ、こんぐらいなら地図見ればどうにかなるしょ」今度は慌てる様子もなく地図アプリを開いて現在地を確認する。「慣れてますね」「よく迷うからね。てかこれに慣れてるは暴言だよ~」「…確かに」「あ!分かった。さっきの道を右に曲がってそこから直進だ。よし、帰れるー」今日で一番うれしそうだった。


後書きのような反省文

またもややらかしました。公開時間がずれてました…。本当にすいません。

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