第77話

見た目は役に立たないって学んだ。

最近見た目通りの人だったり見た目通りじゃない人と会って正直混乱してる。

だって見た目通りすぎる吉田くんや太田くん、見た目と違って優しい良子さんと良子さんと一緒に話してた人。

見た目と違って筋トレが趣味な亀谷君。

こっちに来てから色んな人がいすぎて何が普通なのかわからなくなってきた。


道案内してもらいながらそんな哲学的で厨二を感じさせる事を考えてる。

「ねぇ。腰はもう大丈夫になった?」「はい。少し休んだら良くなりました。」「「…」」多分どっちも思ってる、会話続けるのってどうやったけ?

話題が無くて間がもたない。それに話してからまだ5分と経ってないから気まずくてたまらない。

「名前なんて言うんですか?」「え。あー居なかったもんね。高校生活詰んだくない?」名前は教えてくれなかった。話題失敗したかも。ただ折角話始めれたからこれを無駄にするのは勿体なすぎる。

「大丈夫です。太田君とか良子さんとか亀谷君とか取手さんとかいっぱい友達いますから」「…太田君と仲良いの?」「はい。あんな見た目だけど意外といい人ですよ?」「見た目怖いし、中学の時からやばい噂しか立ってないような人だよ?ほんとに大丈夫?」「大丈夫だと思いますよ。今は尻に引かれてますから。」「え?誰にー。超ー気になる」…これは言っていいものか。本人たちが隠す気あるのかないのか聞いてきてないから分かんないんだけど。

聞きとけば良かった。後悔しなくもない。

「本人達に聞いてないから言ってもいいか…」「確かに。それな。最近誰と誰が付き合ったとか本人達の意思無視して広まるのダメだよねー。」内心なんて言われるかビクビクしてたんだけどほんとにいい人。見た目で判断した俺ってほんとに終わってる。


後悔と反省を程々にまだつかないか…。やっぱりこの学校見た目通りでかいな。これは見た目で判断しても問題がないタイプのやつだった。

改めて見てみると見覚えがない…。「ねぇ悪い連絡あるけど聞ききたい?」「聞きたいです」まあ大体分かってる。だけどもしかしたら力でどうにかなるかもしれない。「ここが何処だか分かんなくなっちゃってた」予想通りすぎる。意外性すらない。悲しい事実。

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