第74話
最悪なことに願っているほど時間が過ぎるのは早くて、ゆっくりと過ぎて欲しい時ほど早く過ぎて行ってしまう。中学の頃も楽しい授業は授業が終わるの早いのにつまらない授業は時間が止まったように時間が動かなくなる。
そんな体験を高校の最初の日からした。
「まだ終わんない」話を聞いてなさ過ぎて何のことを言ってるのか分からない説明を聞きながら時計を見るとさっき見てから3分しか進んでなかった。やばい、もう集中力がなくなってるのに残りの授業時間は30分。「ということで明日の持ち物は以上になります。次に来週以降の日程ですが月曜日は4時間、12時30分頃終了。それより後は普通通りになって6時間、3時終了になります。」いつの間にか持ち物の説明を終えてたらしい。…誰かに聞こう。
気合で寝ないようにしながら何も考えずに過ごして、休み時間に入ってすぐに隣の席の良子さんに助けを求める。「良子さん、明日の持ち物って聞いてました?」「うん。聞いてたよ。確か…メモ帳と筆記用具後ノートを一冊だって。」思ったより少なかった。
「ありがとうございます。話聞いてないと駄目ですね。」「大通君。明日以降の日程って聞いた?」前から声をかけられた。前の席はさっき助けてくれた亀谷君。「亀谷君も話を聞いてなかった口ですか?」「『も』ってことは大通君も話を聞いてなかったんですか?」「はい。ぼっーとしてたらなんかそこの話が終わってて。なんで俺に聞いてもしょうがないですよ」「えっと…教えてくれますか?」良子さんの方を見て亀谷君がいう。「…私?」まさか自分に話が回ってくるとは思っていなかったのかぼっーとしてた良子さんに話題がむく。「確か今週は係とかその他もろもろのために時間を使うらしいので持ち物は筆記用具のみらしいです。来週は午後の授業も始まるみたいなので昼ごはんか昼食代を持ってくるように言ってました。」「ありがとうございます。」
さて今日は次の時間でラストになる。何にも予定がなくとも学校が終わるだけで楽しみになってきた。あ、でも今日始めて友達ができた記念で踊ろうって思ってたことだけは予定に入れとかないと。
最後の一時間は起きていることを放棄した。コツは机に突っ伏さないこと。そうすると先生にばれなかったりする。
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