第68話
入学式の前から学校の人に遠巻きに見られるという考えうる中でも最悪の方に位置する事をやられながらみる掲示板は辛かった。視線もそうだけど明らかに俺たちと同じクラスにならないように祈っている人とかを横目に自分のクラスを確認するのが辛かった。
「学部は皆同じところでしたよね?」「そうだよ~。良子ちゃんも~一緒のところの~はずですよ~」まだ合流できてない良子さんの学部は取手さんが教えてもらった。まあ俺も教えてもらうまでもなく知ってたけど。
「でもここの学校一つの学部でも結構のクラスあるっていう話だぜ。」「忍君。今は~そういうのは~いいんです。」「はい」今までの正座の説教を思いだしてしまう声色だった。これの被害にあうのは太田君だけじゃなくて、無関係の俺もつい反応しちゃうからやめて欲しい。怖くてしょうがない。
「あ…大通君。」こっちに来てからの一か月で聞きなれた声が聞こえた。「良子さん。もうついてたんですね」掲示板の前まで行くともう既に良子さんがいた。「うん。ちょっと前からいたよ」「じゃあクラスもう見ちゃいました?」「ううん、怖くて見れなかった」「じゃあ皆で見ません?太田君と俺は多分近いんでどうせ直ぐに気づきますけど…」「じゃあ俺はここで待ってるから見て来いよ」「忍君、私はやっぱり~そういうのは~ダメだと~思うんですよ」「わ、分かったよ。」あー本当に怖い。なんか変なホラー映画より現実味があって怖い。
「太田君、一緒のクラスになれるといいですね。」この四人で人ごみの中に入ると悲しいぐらいに人が避けていく。まあ客観的に見て怖かろう。目つきの悪いうえ口も悪いゴツイ男、それの上に立つ何を考えてるのか分からない女。これだけで恐怖以外の何物でもないもん。それらの事実から目を背けるために大田君に話しかける。「あ、ーうん信良の怖さを分かってるやつと一緒のクラスになりたい」「私が~どうかしましたか~?私を~褒めるなら~直接~言ってくれて~いいんですよ~」「それに信良ちゃんは優しいですよ」二人にも聞こえていたらしい。そして取手さんが優しい…?
「忍君~、あとで~体育館裏にでも~来てください~。なんなら大道君もどうですか~?」大田君が助けてほしそうな目でこっちを見ていた。「いや。俺は遠慮しておきます。付き合いたてなんだから二人きりの時間も必要でしょ」「気を~使って~くれてありがとね~。」大田君にやばい目でにらまれてるけど無視を頑張ってしていかないと。反応したら一緒に取手さんに説教をされてしまう。
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