第56話  睡魔の日 良子さん視点

大通君は元気そうだった。私は眠すぎて何か動かないと、倒れるように寝ちゃう感じだったからカメラを持ってどこでもいいから眠気が飛びそうな所に行こうと思ってた所で大通君に会った。強がって写真を撮りに行くとか言っちゃったけど、正直眠くて限界。まともに受け答えできてる私凄い。

「…さん、良子さんー。大丈夫ですか?」大通君が声をかけてくれてた?気づかなかった。「な、何の話してたっけ?」「いや、普通に今話しかけた所です」これ、まともに会話になってるかな?ああ瞼が重い。そして一度くっついたら離れてくれる気がしないから頑張らないと。

「あーそれで良子さん。物凄い眠そうですけど大丈夫ですか?」「余裕だから

大丈夫だよ」正直に言ってさっき限界超えた。なんでこんなに無駄に強がっちゃってんだろ。「ならいいんですけど、無理そうなら……」声が聞こえない。今私は大通君の家の玄関前にいる。「やっぱり今日はのんびり家に引きこもります。買い物は緊急な感じじゃなかったのでどうにでもなります」この時既に目をつぶってフラフラ自分が今どんな姿勢なのか分からなくなっていたのでこのあたりからよく覚えてない。



次に起きた時には大通君の部屋のベットだった。大通君は周りを見てもいない。大通君の部屋は相変わらずなんか何もない部屋だった。人の部屋をジロジロみるのも悪いきがしたからのんびり上斜め45度を見てボーとする。ポイントは全身の力を抜くこと。そうすると周りの人から心配される代わりにリラックスできる。

私がボーっとし始めてから多分五分ぐらいしてからドアのあく音が聞こえてきた。

「大通君?」「あれ、良子さん起きました。今昼過ぎなんですけど何か食べます?」「いいの?」大通君の料理を食べられるから思わず返事しちゃったけど何もせずに食べさせてもらうのも悪いな。「なにもせずにご飯をもらうのも悪いから私もなんか一品だけでも作ってくるよ。待ってて」「良子さん!待ってください。座ってて大丈夫ですよ。人は助け合ってなんぼですから」なにかやばいものを止めるような必死さで大通君に止められた。そんなに助け合いの精神を大切にしてたんだ。「ならお言葉に甘えて。今回の代わりに今度は私が料理作ってくるからね。」「いや、出来れば…何でもないです。楽しみにしてますね」笑顔で言ってくれた。若干ひきつってた気もするけど多分寝ぼけてて見間違えただけだと思う。もう一度見たときにはもういつも通りな大通君の顔だったから。

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