第52話

うどんはいつも通りの美味しさだった。人に自信をもって出せるけどお店で出てきたらなんか悲しい位の美味しさ。俺はまだまだだって思わされる。本当に料理が上手い人は同じ料理でも感動させてくる。

俺の弟がそんな感じの料理を作るからどれだけ遠いいいのかがわかるから悔しい。そうえば弟は元気にしてるかな。もう一か月ぐらいあってないことになるのか。偶には連絡してみるのもいいかもしれないな。幸い連絡先は持ってるし。

まだスマホを変えてなければいいんだけど。まああいつは物持ちが異常によかったから大丈夫か。…こういうのを若者の中ではフラグっていうんでしょ、俺は現代人だから知ってる。

聞くに堪えないボケをしたところで現実に目を向けよう。

今、俺は大田君の家で大田君の説教に付き合わされてる。どこからか取手さんに野宿の件がばれてしまったらしく取手さんが大田君にキレてる。やっぱり取手さん怖いわ。怒鳴る系じゃない怖さ。静かに起こる感じ。何より圧が凄い。

少しでも音を立てたらいけないような気がして動けない。正直言うとずっと同じ姿勢で座ってたから腰がもう限界に近くなってる。…はあ、なんで俺も巻き込まれてるんだろ。ただ大田君はフローリングに正座中なので俺とは比べものにならないほど痛いはず。足をもぞもぞ動かしてる所をみると足が痺れて限界みたいだ。

「これで~忍君の~お説教は~終わりです~。次は~大通君の~番ですよ~。」

…俺?「なんで~お説教の~理由が~思いつかない~みたいな~顔を~してるんですか~?忍君と~大通君は~共犯でしょ~、なのに~なんで一人だけ~助かろうと~してるんですか~?取り敢えず忍君の~座ってたところに~座ってください~」

怖すぎて体が勝手に動いた。フローリングは思ってたより痛い。よく太田君これで説教を乗り切ったな。俺はあと10分ぐらいで音を上げる気がする。ちなみに大田君は30分近く説教をされてた。


俺の説教が始まってから10分が経った。正直に言って8分ぐらいたったころから足と腰、膝が音を上げてる。大田君は3分すぎたぐらいから足のしびれが取れて来たのか俺のことをあおってくるし。何気に取手さんにバレないようにやってる器用さが羨ましい。

その後5分。さっきまで足が痺れて痛かったんだけど今は何も感じない。人の感覚ってほんとにヤバい時って何も感じなくなるんだっけ。なら俺の足はもうやばい。そろそろ解放してください。、取手さん。


~更新が遅くなってしまって申し訳ありませんでした。

誠に身勝手ながらしばらくこのペースで更新させていただきます。

申し訳ありません。

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