第51話

太田君の苺プロテイン味のアイスを貰った。まじまじと見てたらくれた。味は…なんかプロテインってこんな感じなんだっていう味がしてた。だけど美味しかった。好き嫌いが分かれるだろうけど。

今は買い物に行って来て帰ってきたところ。乾燥ワカメと冷凍うどん、冷凍の豚バラ肉を買ってきたからお湯を沸かしながら休憩中。その休憩中にアイスを食べちゃったから体の芯から冷えていく。これ今日のうどんはあったかいやつだな。

準備はお湯二つの鍋でを沸かすだけ。沸いたら片方にはお肉。余った方は一旦火から下ろしておく。

肉に火が通ったなと思ったらさっき火から下した鍋を火の上に戻す。外はまだまだ寒いけどここは暖房をつけててあったかいから鍋はまだ熱かった。この鍋の水が沸騰したらこの鍋にはうどんを入れる。ほぐしながら入れたら水で絞めてうどんはお終い。伸びないように水気を振るい落としてお皿に盛っておく。つけ汁は肉の入っているお湯にめんつゆを入れて終わり。これで昼ご飯が完成した。時間はお湯を沸かす時間を入れても30分程度。我ながら早くできた。

「なんだ?もうできたのか。昨日は取…いや良心の料理だったから全然食えてないんだよ。」10歳ぐらい老けたって聞きたくなるほど疲れて、やつれた顔をした大田君が言っていた。「彼女の料理が食べられてうれしくないんですか。」一番の疑問をぶつけてしまった。なにか事情があるのは分かるけど気になってしまったからしょうがない。

「もし出てくるのが人の食べられるものならうれしいんだけどよ…あいつの料理は毒だ。しかも親御さんが親バカなのと信良の味覚が少し麻痺してるのもあって自覚がないんだよ。だから虫が湯気に当たっただけで麻痺する料理を食べさせられたんだよ。」詳しく聞いてみると去年の夏、受験の息抜きに取手さんがラーメンを作ってくれたらしい。その料理は見た目は美味しそう、匂いも食欲がそそられる感じだったらしい。感動の中、偶然大田君にはその上を飛んでいた羽虫が落ちたように見えたらしい。まあ気のせいかと納得してから取手さんの作ってくれた料理に口をつけたらしい。

その後二日間の記憶が大田君にはないらしい。

こんな話を太田君の口から直接聞いた。これを聞いての感想はやっぱり取手さんの料理には関わらないようにしよう。

まあ気を取り直してうどんを食べよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る