第49話
かまくらの中は暖かった。まあそれでも外よりはましかな程度なんだけど。ここで一晩過ごした大田君やっぱり人間じゃないな。もう超人の域に達してる。
そんな超人な大田君が気になっ太田君の方を見るとホッカイロを全身で堪能していた。全力でホッカイロを振って頬擦りしたり、顔を埋めたり。これがペットとかならまだ納得できるけどまさかのホッカイロ。余裕がない事が伺える。まあ偉そうな言ってるけど俺ももう限界。大田君と比べて寒さに耐性がないからしょうがない。暑さに対しては俺の方があると信じたいけど。多分大丈夫、俺の方が勝ってるはず。なんか太田君の丈夫さを見せつけられた後だと自信がなくなってく。
まあ俺の自身喪失の話は置いておいてこれからの話していこう。家に帰るのかそれとも他のところに行くのか。俺的にはこの場所にとどまるのはあり得ないんだけどもし愛着が湧いてこの場所にとどまりたいなら悪いけど帰らせてもらう。
「これからどうします?」「は?選択肢なんてないだろ。家に帰るんだよ。」よかった。流石にこの極寒の中とどまるっていう選択をするほど気が狂ってなかった。
ここからだと家まで20分ぐらい歩けば家につける。バスはまだ走ってなかったから家に帰りたければ歩くしかない。まあ太田君の生命力なら大丈夫でしょ。何せ、こんなに寒い中かまくらだけで夜を越したんだから。
大田君を信用して歩いて帰る決断をして帰る支度を始める。俺はホッカイロを体に貼って準備はお終い。ただ大田君は昨晩相当荷物を広げていたらしい大田君は準備に手間取っていた。かまくらに入った時にはそこまで感じなかったけど汚かったんだ。
それから暫くしてようやく大田君がかまくら出てきた。荷物は何を準備してたのってぐらい何も持ってなかった。
俺も特に何も持ってきてないから二人とも身軽に帰宅。
帰宅中に親への挨拶がどんな感じだったのかとかを聞いた。大田君と取手さんは家族ぐるみの付き合いだったからか意外とすんなりいったらしい。それに取手さんがいい感じに信頼されてたらしい。むしろ太田君が心配されたぐらいらしい。
付き合い始める前から上下関係が決まってて尚且つそれを相手の親に心配されるという中々に悲しい状況。コミュニケーション能力が底辺の俺でもこれはあんまりない状況だって分かる。
まあ本人たちと親が納得してるなら俺が何か口出すのは野暮か。そんなことを考えてたら大田君にとっては懐かしのマンション「ヨーロッパアルプス」についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます