第42話 親への挨拶&良子さんの写真の凄さ
取手さんが扉を開けてから良子さんと取手さんが話してるとき俺と太田君はリビングに続く扉の前でのんびり話してた。こういう時取手さんと良子さんの熱意には敵わない。
二分ぐらい隅っこの方で大人しく縮こまってたら二人の話が終わったらしい。
「えーと、大通君ごめんなさい。なんか勘違いしてたみたいでキスのタイミングを話してたんじゃなくて親への挨拶のタイミングを話し合ってたんだって。」真っ赤な顔をした良子さんが教えてくれた。…告白した時の挨拶ならその日にキスよりは理解できる、出来てる気がする。「じゃあなにも手伝えることはないですか?」
「え~と~、心遣いは~ありがたい~ですけど~こればかりは~忍君に~頑張って~もらわないと~どうしようもない~んですよ~」後半の方は俺の方じゃなくて太田君の方を見て言ってた。そしてそれに気づいた大田君がめっちゃビビってた。とても共感できる。怖いもん、今の取手さん。むしろひぃとか、言わなかった大田君が凄い。心の中で大田君に頑張れーとかエールを送っておく。
それからさっきまでやっていたレースゲームをやって、しかも大田君と取手さんチームと俺と良子さんチームで分かれてチーム戦をしてから取手さんと大田君は取手さんの親に挨拶をしに行った。外を見るとやっぱり1m先までしか見通せない猛吹雪だった。…大田君、大変だなー。
まあ残された俺と良子さんはまだまだ遊ぶけど。なんかあったら連絡してくれるだろうし大丈夫でしょ。それに外に行ったのが只の一般人ならまだしも大田君と取手さんだから何もないでしょ。あの二人はもう超人の域に達してると思う。
取り敢えず何をしようか。さっきまでのゲームを二人でやってもいいけど何か物足りない。
「良子さん、なんかやりたいこととかあります?」もうこうなったら他力本願しかないでしょ。「…せっかくなら私の今まで撮った写真見る?」…そうえばまだ良子さんの部活、写真部ってやったことなかったな。「見せてもらっていいですか?」そう言うと良子さんは机の下に潜ってデカいアルバムとA4サイズのノートぐらいのアルバムを持って来てくれた。大きい方は厚さが辞書並みだった。
中を良子さんの許可を貰って開ける。最初に辞書サイズのアルバムを開けてみる。最初のページには鶴が原っぱから飛び立とうとしている所を撮った写真とその後、飛んでいく鶴の写真で埋めつくされてた。
次のページには海から崖を撮った写真、堤防に止まっているカモメを撮った写真。海関連のもので埋め尽くされていた。全ての写真に言える事は全て息を吞む程綺麗な写真だということ。写真の主役が一枚一枚しっかりしてる。それに全ての写真に奥行きがある。
「どう?」感動しすぎて良子さんが聞いてくれた時に声が出なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます