第41話
私が呼んでおいてなんだけど大田君と信良ちゃんにばれるかと思った。ただ情報交換の大切さが分かった事を考えれば玄関に呼んでよかったかも。まさか2人が何をしたいのかわかってなかったとは。
私はこういう事はよく知っています。何故なら恋愛漫画をいっぱい読んで勉強しましたから。
雪という閉鎖空間の中、恋する男女がひとつ屋根の下。もう想像するだけでもキュンキュンします。まあ私の人生にこの知識が活かされたことないんですけど。高校ではこの知識を活かして友達いっぱい作るぞー!頑張るぞー!
自分を自分で鼓舞してからこれからどうしようか考える。さり気なくこの家を空けてムードを作るのに協力するか、正直に盗み聞きしたことを伝えて答え合わせさせてもらうかどっちにしようか。ここはとても重大な問題なのでいつも以上にしっかり考えます。
気づいた時には大通君が肩を引っ張ってきてました。なんでしょう。聞こうとしたところで私の部屋のドアが開きました。一応確認すると私の部屋は勝手にドアが開くほど建付けが悪いわけでも、なにもしてないのにドアが開くみたい怪奇現状は起こったたことはことはことはないので人の手によるものだと思います。
そしてようやく本題へいきます。私の部屋はさっきまで私たちが盗み聞きをしていた部屋です。つまり大田君と信良ちゃんがいる部屋です。
現実逃避わしたくてゆっくり顔を上げます。そこには怖い笑顔を貼り付けた信良ちゃんと何故か顔を真っ赤にして照れている大田君がいました。
「良子ちゃん〜何を〜しているんですか〜?」信良ちゃんのゆったりとした喋り方がいつもでは考えられないほどに怖いです。私の周りには怒らせると怖い人が沢山です。信良ちゃん然り大通君もですし。太田くんは怒らなくても怖いですが。大道君で思い出しました。私の事を引っ張っていた大道君は…もうリビングの扉の前にいました。まあこのことは置いておいて取手さんに事情を話そう。
「まさか〜盗み聞きとか〜しようと〜してましたー?」「ごめんなさい。してました。」白状します。こう言う時に嘘ついても私は嘘があまり得意じゃないのですぐバレて怒ってる所に油を注ぐ結果になってしまうので正直に話すのが楽です。
「ヘ〜、ちょっとこっちに来てください〜。」外に連れ出されました。…やっぱり寒いです。今日は可能な限り家から出ずに過ごしたいものですね。
「盗み聞きはごめんね。代わりと言ってはなんだけど目的のお手伝いするよ。」私から話を切り出します。
「いいんですか〜?じゃあ遠慮なく〜親への挨拶の〜手伝いをして貰いますね〜。」…どうやら私の予想は大外れだったらしいです。恥ずかしいです。それに私の恥ずかしい勘違いを大通君に話さなきゃいけないとか恥ずかしいんですけど。
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