第39話 エレベーターVS人力
寒い寒い外に来た。今日で三回目のこの極寒の地。前の2回は太田くんとだったけど今回は良子さんと。なんかそれだけで暖かくなった気がする。…気のせいだった。誰と外に来ようと寒いもんは寒い。
そして良子さんはマジでコンポタを買いに行くつもりなのか階段の方に行ってる。
ここは風を防げないとは言っても何もないところと比べれば暖かい。それなのにそこから進んで出なくてはいけないとか地獄すぎる。
気合いを入れ直して外にでる。…視界が無くなった。音も吹雪いている音しか聞こえない。
何が辛いかって聞かれたら当然この寒さもそうなんだけどそれ以上に顔に叩きつけられる雪が俺の貴重な体温を奪ってく。
ただでさえ2回ここと部屋を行ったり来たりしてるわけでもう寒いんすよ。
そしてコンポタを買って室内に帰ってくる。暖房がついてるわけじゃないけど雪が顔に当たらないだけで幸せ。
「ねえ、あの今頃なんだけど太田くんと取手さん二人っきりで大丈夫かな。」俺はこういう時二人っきりの方がいいって知てる。まあダメだとしても太田くんなら何かあっても大丈夫だと思う。
「大丈夫だと思いますよ。こう言う時は二人っきりとかの方がいいと思います。」考えてたことをそのまま伝えた。
「ちなみに取手さんに返事の意味聞きました?」「聞いたよ!」凄い勢いでの即答だった。座ってたら身を乗り出してきそうなぐらいの勢いだった。
「なんて言ってたんですか?」「えっとねー、あれは〜告白だったんでしょうか〜。なら〜返事をしなおさないといけませんね〜。って言ってた。」口調を真似してて意外とクオリティーが高くて笑ってしまいそうになる。そして取手さんはこう言う緊急時でもゆっくり喋るんだ。
…告白の返事をし直すってことは今真っ最中?これを見逃したら本人達から告白の様子を聞くしかなくなる。出来れば直接見たい。
なので急いで階段を駆け上がる。エレベーター使う時間も勿体ない。良子さんはエレベーターを使って上がっている。おんぶして運ぶなりしようかと提案したんだけど断られてしまった。なので一人悲しく階段を走っております。
部屋の前に着いたのはほぼ同時だった。エレベーターで来ればよかったと2秒後悔してから部屋のドアを慎重に音のしないように開ける。
いい感じに静かに開けられた。そして二人がいるであろう良子さんの部屋の前で耳をドアにつけて音を聞く。
良子さんが下で俺が上。逆だと色々ヤバくて部屋の物音を聞くとか無理だった。
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