第34話 さてここに来てこれですか。良子さん視点

朝、私がいつも通りの時間六時五十分に起きると吹雪だった。今年は異常気象で雪が少なくて、というか今までで一番雪が少ないから油断した。ここは北海道で今はまだ三月。つまり雪が降らなかった今までが異常だった。今日どうしよう?信良ちゃん来るのかな?来るなら何しよう。家で何するか考えてなかった。

ベットから起きだしてリビングに行くとお母さんがいなかった。寂しいです。机に「仕事行ってきます」と書いた置き書きが合った。こんな中仕事に行ったの?

心配になってスマホを開くと案の定お母さんから「電車が止まったので良子は電車に乗らないで。ご飯はレンチンして食べてね」と来てました。こんな時まで私のことを心配してくれる文で書いてあった。そんなことより自分の心配をして欲しい。今日雪が止まなかったら電車動かないままになっちゃうのに。とりあえず自分の心配してほしいと送っておいた。そしてこの吹雪の中暇でのんびりしてたら着信があった。今本がいいところなのに。携帯を見ると取手さんから。内容は「雪ですね~。なんか~テンション~上がって~きちゃったので~遊ぶついでに~良子ちゃんの~家行くね~」とのことです。

弱まってきてるのかもと淡い希望を抱き外を見ます。景色は…ないです。吹雪いてて雪の白いのしか見えません。止めたのですが既読すら付きませんでした。本当に来た時のためにお風呂を用意しておきます。これで多分大丈夫だと思います。というか電車が止まるレベルのこんな雪の中どうやってここまで来るつもりなのでしょう。とりあえず困ったので大通君に聞いてみます。一応連絡は取ります。アポどりは大切です。

帰ってきた返信は五分後にここに来てくれるらしいです。この天気の中外に出たくないのでありがたいです。きっかり五分後に息切れしている大通君がいました。急いでくれたのでしょうか。ありがたいと感じると同時に申し訳なさも感じます。

感謝です。言葉にしないと伝わらないので伝えます、勇気がすごい必要です。きついです。「…わざわざ急いでくれたんですか?」いつも通り会話ができない?なんかドキドキする。ドキドキのせいで返しを聞き逃してしまいました。

とりあえず聞き返した方がいいかな。それとも会話をした方がいいのかと悩んでいたらピンポンがなりました。ビックリ。覗き見ると取手さんがいました。この大吹雪の中でわざわざ来てくれたらしいです。とりあえず…どうしましょう。

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