第31話 北海道を感じるまであと1話
あの後すぐに善子さんが良子さんを起こしに行ってくれた。
それから3分ぐらいして寝起きであろうパジャマ姿の良子さんがリビングに来た。長袖でモコモコして暖かそうなやつ、まだ寝ぼけてるのか俺に気づいていないらしい。今更になって時間改めればよかったと後悔。だってこれ俺が話しかけるの?寝起きの人に?なんて?どうやって?ていうかよくあるラブコメの展開で幼馴染のことを起こしにいくみたいなのあるじゃん、あの時の心境ってこんな感じなの?心臓どうなってるの?多分違う生物なんだな。俺には不可能だわ。よしなら俺からは声をかけない。良子さんが気付くのを待つ。この方法なら大丈夫、話しかけなくて済む、俺が。こんな状況でも倒置法使えた。俺はすごい、やっぱりこんな状況でも俺すごいメンタルでいかないとどうにもならないわ。なんか虚しくなってきた。良子さんを見ながらどうでもいい事を考えていたら良子さんと目が合った「……。えっとおはようございます?」なんか疑問系になっちゃった。そして良子さんの反応は以下の通りに「h iztuxotsousifoUrfiihguoxyydruz i、……なんでいるん?」良子さんと目があってから10秒間でおきた出来事でした。頭の中でナレーション入れているとなんか笑い声が聞こえてくる。「ごめんねー。いやー面白かった」善子さんが出てきた。なんかもう混乱して頭が回らない、馬鹿になった気がする。…馬鹿なのはいつもか。とりあえず状況を聞こう。良子さんが再起動するにはまだかかりそうだし。「えっとこりぇ…これどういうことですか?」俺も再起動には時間がまだかかるらしい。「ただ良子に大通君が来てるってつたえないで起こしただけだよー。」
だけが悪質すぎる。「お母さん、大通君きてるなら伝えてよ。これじゃあ一日中パジャマだと思われちゃうじゃん」今午後か、俺も今気づいた。これってやっぱり俺が口挟まない方がいいやつ?
よし口を挟もう、2秒も悩んだからたぶん大丈夫。「えっと電話で言ってたこと気になって来たんだけど今大丈夫ですか?」良子さんに聞くとなんかさっきまでとは態度が変わるだけではなく顔が変わった気がする。気のせいだと思うけど、般若のお面から花の咲いた笑顔になった気がした。あれ、なんかたとえがうまくいった気がする。「それ私も話したかった。わざわざ来てくれてありがとう。」なんか感謝されちゃった。やっぱり良子さんと話してると癒される。今まで殺伐とした環境で生きてたまってた疲れがましになる。温泉並みに効能がある気がする。
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