第20話 部活動体験一回目 大田君

更衣室にきて一分ぐらいかけて家から持ってきたハーフパンツに着替える、この時期だけど部屋に暖房がついていて暖かい。その後大田君に連れられて練習場みたいなところにきた。なんかリングが真ん中にあってその周りにサンドバックがあってリングの存在感がやばい。丁度ガタイのいい男の人が練習してる、超目立ってる、あんまり見続けるのもダメかと思い、周りを見てみると女性のお客さんも結構いる。「あの、リング借りていいすか?」リング使ってた人が知り合いらしく親しげに話してる。「大田君、待って俺取り残さないで。」右も左も分からない人をなんでほっとくの。大田君が教えてくれるものだと思ってたから受付全部任せっちゃったし、とか考えてると「何言ってんだよ、お前と練習するためにわざわざリング使わせてもらうことにしたのに。」態度の割に面倒見がいいらしい、ツンデレか。いや、純粋にありがたいけど、俺初心者どころか武道体育でしかやったことないよ。パンチの出し方とかも教えずにリングにあげる?普通、まあ抵抗してもしょうがないのでリングに上がることに。最初にパンチの出し方を教わったけど、正直分からなかった。その後はリングから降りサンドバッグに向かいパンチし続けた。なんかもう肘と肩が痛い。時間を見るといつの間にか12時になっていた、よくここまでお菓子で持ったな。お腹も減ったしそろそろ腕も限界だったのでボクシングジムから出ることに、1時間半ぐらいやってたが意外と安かった。

今から家に帰ってご飯作るのもめんどくさいし、どこかで食べてから帰ろうかな。大田君はどうするんだろう、ボクシングジムに来るときも迷いがなかったし詳しそうだから出来れば案内して欲しいけど。「大田君はご飯どうするの、俺はこの辺で食べてから帰るけど、大田君は帰る?」「ラーメン屋に寄ってから帰る。お前も来るか?」大田君が優しい、明日何が降るんだ?いや、まああの辺のこと何も知らないからありがたいから一緒に行くけど。「行く。そのお店どんな感じ?」「あ?普通のラーメン屋だろ。」なるほど、質問の意味が通じない。ただほんとに機嫌がいい、明日が怖い。まあこんなこと言ったらせっかく機嫌がいいのを台無しにしそうだから言わないけど。その会話から五分ぐらいしてラーメン屋に着いた落ち着いた雰囲気でテレビのラーメン特集で見たことある。券売機で食券を買う。大田君は醬油ラーメン、俺はやっぱり北海道といえばの味噌ラーメン。楽しみにして待ってると、こっちに来てから何度も聞いた声。取手さんと良子さんがいた、店の制服らしき姿で。バイトでもしてるのかな?

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