第18話 部活動何入る?

肉を食べきってしまった。今はとりあえず肉の余韻に浸りながらご飯を食べてるところ、美味しい肉は特に余韻が長く残るから嬉しい。ご飯をお茶碗一杯分食べきったところで大田君と取手さんの買ってきてくれたジュースやお菓子を準備してのんびりすることに。話題がない、これ人と話すときいつも思ってるな。なんか人と話すときの話題とかを普段から考えないと駄目かな。「皆さんは~部活動~なにかするんですか~?」答えやすくて長続きしやすそうな、入学に合わせた話題を振ってきてくれた。ありがたい、取手さんってコミュニケーション上級者なのでは!いや、俺とか良子さんのコミュニケーション能力が低いだけかもしれないけど。

「俺は高校でもボクシング続けるぜ。頑張って勉強してわざわざボクシング部あるところに入ったんだからな。」

大田君はボクシングをしていたらしい、衝撃の事実。「まあ~忍君はボクシング強いですからね~。」強かったんだ、まあ、あれで弱かったら世界チャンピオンとか人じゃないけど。「そういう取手はどうなんだよ、薙刀続けるのかよ」取手さんは薙刀をやっているらしい。この二人の会話には情報量が一杯だ、そして会話を始めると俺と良子さんが空気のごとく無視される。「まあ~基本的には~楽しいですし~続けますよ~。」ここらで存在感出しとかないと、会話に入れなさそう。「俺に強いから続けろって言っておいて辞めるとか言ったらそれこそ殴るけどな。」入れなかった、そして取手さんも強いらしい。良子さんを見てみると、もうなんか聞いてほしくてウズウズしてる。「良子さんは高校で何か部活入るんですか?」「しゃ「そうだ、大通、てめぇ俺に勝ったんだから武道やれ。そこで正式に俺が勝ってやる。」大田君が食いついた。大田君の声とかぶって良子さんの声が聞こえなかった、なんとか「しゃ」は聞き取れたけどそれ以外は無理。そのせいで良子さんが涙目なのだが。

「あの~人が他の人に~話しかけてるところに~割り込むなって~何度も~言ったと思うんですけど~もう忘れました~」取手さんの声のトーンとか変えてないのに、怒ってることが伝わってくる。なるほど、これが大田キラーの実力。そして思いっきり、ぼこされてる大田君が見たもののように思いつき背中が冷たくなる。ほんとに怖いのはこれか、これは怖い。「遮っちゃって~すいません~。それで~部活動の~話でしたよね~。何部に~入りたいとかって~あるんですか~?」話の戻し方がなれてる、これ初犯じゃなくて常習犯だな。それをいつもカバーしてるのが取手さんと、ようやく関係が分かった。「しゃ、写真が好きだから写真部がいいかな~と思ってる」あんなことの後だから緊張しまっくってる。「写真~いいですよね~私は~綺麗に~とれないので~今度~教えて~もらえますか~。」取手さんの提案に頷いてる。趣味共有できるっていいよね。「それで大通入るよな、何にする」なんか部活に入る前提になってるけど特に入りたい部活ないんだよな。

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