第16話 肉の奪い合いは過酷である。

家にかえってきた~。なんか今日の午前中が濃すぎて久しぶりに帰ってきた気分。家に帰ったら、まず暖房をつける。寒かった、やっぱりきついわ。コートとか買わないとダメかな。コート高いからな~。コートを買うかどうか葛藤すること2秒買わないことに。「早く鍋とか~持ってこないと~食べる2時すぎちゃいますよ~」時計を見ると1時過ぎたとこ、ほんとにやばい。うちにすき焼き鍋はないので良子さんにすき焼き鍋を持って来てもらい材料を切っていく。取手さんはが割り下を作ってくれてる。大田君にはお皿を用意してもらってる。そんな感じで全員で準備を進めて下ごしらえまでを10分で終わらせる。取手さんが凄い頑張ってくれた。そこまで終わらせてから鍋に火を入れる。もっと早く火を入れておけばよかったとか思いつつ、ネギに焼きを入れる。そして割り下を入れてから温め野菜を入れる。その後すぐ肉を入れる行程に入る。奮発して高い肉を買ってきただけ合って煮る前から美味しそう。肉を見た瞬間に皆で卵を溶き始めた。本州の美味しいブランド牛肉なら、何が美味しいとかあらかた知っているから本州のがよかったんだけど売ってないのなんの。まあこれも良子さんが絶賛してたから多分美味しいと思うけど。こういう些細なことから自分がほんとに北海道にいるんだなと感じている、まあ逆に普段は寒いこと以外なにも感じてないけど。肉にいい感じに火が通ったので一斉に肉の奪い合いが始まる。最初に入れた肉は二枚、鍋の大きさの都合上それ以上はいらなかった。これ良子さんが言うにはお母さんと良子さんの二人ようらしい。とる人の人数は俺、大田君、取手さん、良子さんの四人。取手さんは小食で肉があまり好きではないらしいからとらないとしても、三人はとるから一人食べられない。誰がどれをとるか、思考が交錯する。試験時以上の緊張で三人とも肉を狙っている。一枚目は大田君がとった。二枚目は良子さんに譲り三四枚目を入れる。これは死守するという覚悟のもと肉を入れていく。二分ぐらいしてから肉がいい感じになったので一枚もらう。大田君は取手さんに押さえてもらうことで解決。その間に肉をもらう。口に入れた瞬間、肉のうまみを残して溶けていく。言葉がなくなる。THE美味しいお肉、という感じ。いや、こんなうまい肉だとは。良子さんが押してきた訳が分かった。その後も肉争奪戦を繰り広げ結果は俺と良子さんが六枚、大田君が七枚、取手さんが一枚。取手さんは俺らが肉争奪戦で盛り上がっている時にさっらと肉と野菜を持ってた。野菜も箸休めに食べただけだが美味しかった。ネギは柔らかいし甘い、春菊もちゃんと香りが残っていて美味しかった。まじ、やばい北海道。肉も美味しくてこれで海鮮も美味しいとかまじやばい。どのぐらいか具体的には語彙が消える程度にはやばい。

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