第13話 合格者発表と合格者

あれからしばらく、緊張を紛らわすように4人で話したが太田君と取手さんの関係が分からない。関係を聞こうにもタイミングがない。試験の緊張よりこのことで頭がいっぱいで緊張がどこかいってしまった。そして結果発表の時がやって来た。回りには受験生らしい人がいっぱい。皆緊張で死にそうな顔をしてるから、話してる俺らは凄い浮いてる上に視線が冷たい、まあこっちついた日に感じたものよりましだけど。あの視線を知ってる俺に死角はない。「しかく」って漢字あってる?そんな感じでのんびり視線をやりすごしている。ほかの俺と話していた人も気づいていないのか心臓がやたら強いのか気にしてない。「それでは、合格者を掲示します。」やばい、さっきまで話してて気にならなかった緊張が、今になってぶり返してきた。その後の注意なんてって聞こえないほど緊張している。思い切り殴り掛かってくるやつを対処する方が楽。まじ、心臓痛い。受験生が合格で一喜一憂しているなか、俺は怖くて動けない。俺がここまで怖いものがあるとは思わなかった。なんかこれ厨二病みたいだなー。楽になってきた。横にいた良子さんを見るともう張り出されている紙の前にいた。合格していたのか軽い足取りで戻ってくる。

「合格してたよ。」笑顔で言ってくる。大田君とかに言われたらトドメになっている。まあ笑顔で元気になったから良いけど。今気づいたんだけど良子さんの笑顔すごくね、この笑顔を国として保護してもいいレベルだと思う。まあこんな余計なことを考えられる程度には緊張がとれてきた。受験票の番号を見て紙にその番号が載っているかどうかを確認をする。番号は152番、やたらでかい数だとは思うが100から始まってるからまあ真ん中の後ろの方。だから探すのが大変。最後から見た方が早いこともあり、後ろから見ていく。最後の列から4列隣に152という番号が。緊張から解放されて、膝から崩れ落ちた。回りはなぜが可哀想な人を見る目とざまぁ見ろみたいな目であふれてた。なるほど、落ちた人に勘違いされたらしい。まあ人に気を配れるほどの余裕もはやなく、最終学歴が中学校じゃないことでいっぱいいっぱい。とりあえず良子さんに報告に。「受かりました、最終学歴中学回避しました。」テンションやばかったと思う。そんなテンションについてこれるほどのコミュニケーション能力が良子さんにあるはずもなく、「……。apd-m!」なんか言葉にできてない。ただ何がいいたいのかはぎり分かった。良子さんは表情にはよく出るらしい。それから大田君や取手さんも合格しているらしいので、皆で合格者の列に並ぶ。その列に15分ぐらい並んで、課題を少しだけもらってから帰路につく。

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