第12話 太田君の天敵取手さん 

とりあえず大田君に声をかけて、こののんびり話す人の自己紹介をしなければ、いちいちのんびり話す人っていうのめんどくさいし。俺が大田君に声を掛ける前にのんびり話す人が声を掛ける。「忍君じゃないですか~。」一瞬忍って誰だと思うが流れ的に太田君だなと思う、むしろこれで違う人声を掛けてたらヤバい人じゃん。てか、忍君?あの太田君を名前よびとか相当親しいらしい。親しいか余程の物好きでもなければ声を掛けることすらしないだろうから、まして名前よびとか不可能。

声をかけられた本人は顔をしかめている。「なんだよ、取手も受けてたのかよ、元の志望校ちがかったろ。」相当いやらしく顔が面白いことになってる。というかのんびり話す人の名前がわかってしまった。今日はついてるかもしれない。

「なんで取手と大通と小宮が一緒にきてんだよ。なんか変なこと吹き込まれてないよな?」おっとこちらに矛先がむいた。まあ校門の前で会って自己紹介すらまだなのに吹き込むも何もないので「なんにも」素直に答えてみた。余程俺が信用ならないのかこの取手さんがこわいのか取手さんにもにらみながら「ほんとだろうな」わざわざ確認を取っている。この2人の過去になにがあるんだよ、むしろ太田君なにされた?

そんな感じで2人が俺らの存在を忘れて1分ほど太田君がすごんで取手さんが一方的に話しかけているのを聞いていると、存在と自己紹介をしてないのを思い出してくれたらしく「自己紹介がおくれて~すいません~。取手信良です~。良心を信じるってかきます~。」自己紹介をしてくれた。丁寧に漢字まで教えてくれた。俺も自己紹介でいう漢字の紹介考えてをこうかな~。まあ今は自己紹介をしなくては。

「大通一直です。よろしくおねがいします」とりあえず無難なやつを。だって怖いじゃん、太田君が怖がるような人だよ。

「小宮良子です。良心の子供で良子です。」とても満足そうな表情をしている。「やっぱり~良心っていい言葉だよね~」取手さんがくいついた。なんか、良心って言葉に思いいれがあるか、と思うほどの勢いで迫られる良子さん。十分話しただけでもいっぱい話せた認定される人がそんなことになったら当然、フリーズする。「……jpoasnta」混乱して凄いことになってる。三十秒ぐらいしてから冷静に慣れたのかうなずいている。日本語が出てくるほどは落ち着いてないらしい。その反応で冷静になったらしく取手さんが深呼吸をしてる。その様子を見て太田君が顔を青ざめてる。マジで何があったんだよ。

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