第8話 緊張の試験とやばい人

俺は今、高校受験の会場に行くために三人で電車に乗っている。俺、小宮良子さん、なぜが大田さん。聞けば大田さんも同じ高校を受験するらしい。なに?この辺りではそんな人気なの、そこの高校。ホームページを見た限り普通の高校だけど。というか気まずい。今電車の座席が開いていたからそこに座っている、三人並んでそれも俺が真ん中。これ話しかけても良いやつ?いや、多分ダメなやつだ。俺とて空気読めるんですよ。普段は読んでないだけであって。 

そうこうしていると、最寄り駅についた。体感電車で十五分くらいだと思う。周りに有名な観光地はないものの自然が豊かで建物もないわけじゃない、最高の立地。

敷地もやたらでかいしやばい。募集人数が100人ちょとでこの広さ。凄い、どれだけの金使い込んでんだよ。言ってなかったけど公立の高校に行くことになってる、あいつらに頼るのやだし。テストに緊張仕切ってる二人を置いて一人でテスト会場に向かう。番号で教室に案内される。あれ、なんか緊張してきた。

ついに試験監督の先生がきた。凄い美人、だけど雰囲気がやばい。何人が病院送りにした、て言われても信じられる程度には。

試験が終わった、二つの意味で。とてもうまいこといった気がする。あはは!終わったぞ。何あの問題、関東の過去問しかやってないけどこんな違うもん?!ついでに試験監督やばいし。いや、多分合格はできるけど相当ギリギリのはず。とりあえず、正門のところで二人をまつ。ここに合格したらこの中の誰かとクラスメートかー。そんな感じで現実逃避しながら二人を待つこと五分。ようやく良子さんがきた。あとは大田君だけ。

「テストどうだった?」良子さん、今現実逃避中なんですよ。察してください。ということで「現実逃避中です」素直に答えることに。どうごまかしてもすぐばれそうだし。

「最終学歴中学校でも働き口あるよ?」なんで疑問形なんすか、言い切ってくださいよ。そしてなんでガチで心配してんすか。第一落ちるほどやばくないはずだし。そんな感じで話していたらやっと大田君がきた。この時期でも手袋なかったら終わってたな。丁度、雪が降ってきた。縁起悪。「えっと、帰りましょう。」控えめに良子さんが言う。まだ大田君に苦手意識があるらしい。いやまだ俺も話慣れた訳ではないけど。行きのときと同じく話すことがないまま、帰路につき、そのまま話す内容がない状態で家に着いてしまった。きつかった、主に空気が重すぎる。それこそ、テストのことを忘れる程度には、思い出してしまった。あー~終わった。時計をみて今が2:30であることを確認。テストのできが悪すぎて昼食べてなかったんだ。意識すると急にお腹がすいてきた。ハローワークの本買うついでに昼御飯と夜御飯の分の材料買ってこよう。最寄りのコンビニとスーパーを調べ、材料とハローワークの本を買いにに向かう。以外と近かった。十五分とかからず帰ってこれた。本を持ってるとやっぱりつかれる。荷物を置いて一息ついたら、インターホンがなった。ドアを開けると良子さんがいる。両手には箸とスプーン、フォークまるで御飯を食べに来ましたみたいな格好で。「今日、お母さんいなくて食べるものないから、来ちゃった」どうやら御飯を食べに来たらしい。俺より遠慮ない人初めて見た。俺でもここまであからさまではなかったはず…ないはず。

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